第694話:ホー・ライジア~もうだめな話~

「さぁ、がんばってやってくれ」

「はい! がんばります!」


 とは言ったものの、もうこれ以上頑張りようがないんだよな。

 どうにもならないけどやらなければいけないわけで、がんばればどうにかなるというものでもないわけで、つまりはどうにもならない。

 もうだめだ。


 私は与えられた理不尽な仕事を投げだした。


 さて、あの仕事はもうだめだ、しかしそうなると私も当然のようにもうだめになっているわけで、だめであることを宣言される前に次の先を用意をしておこう。


「ありませんね」

「え?」

 職業案内所、受付で書類を提出し採用される職場を探してもらうのを待ったものの、結果は0件。

「一件も?」

「はい、ないです」

「なぜ???」

「なぜと言われましても、ホーさんは過去に7度の転職をされていまして、理由が全て職場放棄ですよね」

「まぁ、そうですね」

「そもそも今ですら退職処理を行っていませんので、この状態でホーさんを採用するという職場は0件ということになります」

「でもそれは理不尽な仕事の振られ方を……」

「そういう理不尽な仕事の振り方をされる企業しかないということでもあります」

 言われてみればそういうことになる、かな?

「というかそういう職場しかないってことはこの街は」

「もうだめ、ということになりますね」

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