第503話:オーガン=バグスフィア~神よ、我が祈りに応え、力を与えたまえ~
この戦いは戦争だった。
僕とあいつの二人だけの戦いだが、戦争だ。
前世からの宿命のライバルと言ってもいい。
というか、前世での宿命のライバルだ。
言ってしまえば世界をかけて戦った仲、魔王と勇者、逆の呼称を受ける場合もあるが、まぁそういう関係なのだ。
そうして世界規模の戦いを繰り返しお互い死んで、この世界に来てからも戦い続けている。
この世界では様々な存在に目を着けられると二人そろって滅ぼされかねないから民には影響のないように戦ってはいるが、決戦ともなるとやはりお互いに最大威力の必殺技を放ってしまうものだ。
「神よ、神よ、我が祈りに応え、力を与えたまえ」
唱えた祈りに応えるように、体を仄暗い燐光が包み込む。
「ほぉ、その技はかつて幾世もの世界を亡ぼしたかの神の力を身に降ろし自身の肉体を極限まで強化して次の攻撃の威力を何百倍にもする大技【アラグ・ロイズ】だな?」
奴の前でも何度か見せている、短い詠唱から察した奴は少しだけ身構える。
「そうだ、これこそが僕の秘策中の秘策!そして威力を軟百倍にも強化して放つのは!」
「はっはー!どうせ貴様のことだから空間破壊を重ねて大爆発を起こす【オル・ベニア・リア・ガバローク】だろう?その組み合わせはかつて我が破ったことを忘れたか!」
かつての戦いで見せた当時の最大威力の必殺技を想定したらしい奴は完全に油断しているように見えた、これならば行ける!
「もう僕はその時の僕とは違う!うおおおおお!」
僕が闇の光を乗せて放ったのは物質の核のバランスを崩し、連鎖的に世界を崩壊させる大技、破壊の神の力を借りてのみ使える必殺技だ【アドル・ガイマル・バグラード】!!!
お互い「うおおおお!!!」と雄叫びを上げてぶつかり、新必殺技の破壊が奴を飲み込み、闇が爆発した。
太陽の光も弱くなってきたので奴との戦いは終わり、お互い腹も減っていたので適当な食堂に入って今日の戦いの振り返りをした。
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