第489話:コロンティーナ・ラムニア~かわいい探究者~
かわいいとは何だろうか。
言葉の定義としては小さい物、弱い物に心惹かれる気持ちを表すとされる。
確かに小さい物はかわいい、弱い物もかわいい物が多い。
それは確かに可愛い要素だ。
かわいい要素ではある。
かわいい要素の塊である人が可愛いのは当たり前の話なのだが、たまーにかわいい要素が見当たらない人が、とてもかわいく感じることがある。
巨体だったり強面だったり、そういう人が可愛いのっておかしくない?
おかしいですよ、おかしいです。
私もたいがい可愛さには自信があるのに、私よりもかわいいとか言われるとかずるくない?
「もうぶっちゃけちゃうんだけど、本音を言うとそういうことなのですよ」
「ああ、最近話題のかわいい岩石巨人のこと?」
「そう!あの岩石巨人ごつごつしてでっかい岩の塊のくせにかわいくて話題になるとかずるくない?」
「ずるくはないよ」
「私もかわいさで人気になりたいんだけど?」
「いや無理でしょ」
「なんでよ」
「ティーナって確かに外見はかわいいんだけど、中身がマイナスかわいいが過ぎるから」
「マイナスかわいいが過ぎる!?」
「マイナスかわいいが過ぎるから、外見の半端な可愛さが災いしてあんまりかわいくないし……」
「ちょっと待って、マイナスかわいいが過ぎるってことの意味が解らないんだけど」
「そりゃもう、かわいいの逆ベクトルよ。かわいくないってこと」
「そう?」
「うんそう、自尊心高すぎなところとか、全然謙虚じゃないのに謙虚だと思ってそうなとことか」
「そんなの、近くにいるあんたしか気づかないでしょ」
「いやいや、にじみ出てるんだって。態度から、結構ね」
「でー、それで、あの岩石巨人は内面の可愛さがにじみ出てるからかわいいってことなの?」
「そういうこと、仕草とか発現とかかわいい以外の何物でもないでしょ」
「うーん、わかんないなぁ」
比べるのも癪なぐらい私の方が絶対にかわいいというのに。
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