第455話:ジャラ=バキエ~大自然アート~
接着剤をぽたり、
木の板に張り付ける。
固まる前に木の実をぺたりこ。
繰り返すことで木の実タワーのオブジェになる。
完成したそれを棚に並べて、今までのものと合わせて眺める。
「ふへへぇ」
思わず笑いがこぼれる。
いやはや、よくここまでたくさん作ったものだ。
最初に作った粗末なものから、だんだんとこだわってきて大きくなっているのを順番に見て、今日作ったものまで順番に追う。
結構な大きさだ。
だいたい私のからだの半分ぐらい。
「もっと大きいの作りたい、ね?」
そうしようそうしよう。
もっと大きいものを作ることにしよう。
そうと決まれば材料集めだ、森へ出掛けて木の実の卵を拾いにいこう。
「しまった」拾いすぎた。
いや、作りたいものの大きさから考えると拾いすぎたってこともないんだけど、もって帰れない。
どうしようか、少しずつもって帰ろうかとも思ったが、いいことを思い付いた。
そうだそうだ、そうすればいいんだ。
いいことを思い付いた私は一度木の実の卵を置いて、家に帰ることにした。
「いひへへぇ」とにやけ顔が止まらない。
ナイスでグッドなアイデアが思い付いたときはこうなりがちだ。
家から接着剤を大量に持ってくるその姿に奇妙という感想を抱いたであろう、通りすがりの人にひどい視線を向けられたものだが気にしない。
あらかじめ見つけておいた手頃な切り株の回りに拾った木の実と持ってきた接着剤を並べる。
大きすぎるなら外で作ってしまえばいいのだ!
最高の考えに気分がのって、そのまま2日続けて作業をして、過去最大の作品が完成した。
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