第427話:メタルコ*アニア〜イジメの要件〜
「イジメ?」
「そうなのよ、最近私の受け持ちクラスでイジメがあるって話があって」
彼女は孤児を集めた学校の教師をしているのだが、今日は僕に相談があるということだった。
それにしてもイジメか、大人でも集まれば嫌がらせがあるぐらいだ、子供ならなおさら起きるだろう。
「イジメの原因は?」
「それがわからなくて……」
「ならクラス名簿とそれぞれの子供の成績表をくれ、おおまかな傾向から原因を推測してみよう」
「対策は?」
「原因による」
僕は神様じゃない、無理なら無理と投げる。
少しかけて用意してもらった名簿と成績表をじっくりと時間をかけて読み、大体イジメ側の加害者グループと被害者の関係を推測する。
「なるほどね」
単純な構図だが、説明するのは面倒だ。
解決法も簡単だがそれを選ぶのは難しいだろう。
「原因がわかった」
「本当に!? 」
早速教えてやることにした。
「とりあえず確認だが、いじめられっ子がこいつ、イジメっ子がこいつ、その取り巻きがこいつとこいつとこいつ。合ってるな?」
「あってるわ」
「じゃあ続けるぞ。イジメれている原因は能力の不足、特に目立つ奴が不足している。他は優れていてもイジメられがちだ」
「ふんふん?で、どうしたらいいの?」
「簡単な話だ、いじめられているやつをクラスから追い出す。これだけだ」
「でもそれじゃあ、私まであの子をいじめるみたいでダメだと思うんだけど」
「善悪を考えるな、簡単だが難しい。よく考えることだな」
難しいだろうがな。
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