第408話:ジラムル・ルウ~行き止まりの道~

「あれ?」

 道の真ん中に壁がある、端は横の壁に繋がっていて、これはまさに行き止まりだ。

 この道はよく通るのだけど、行き止まりにな

 ったのははじめてだ。

 だからこの道をよく通るのだけど、珍しい個ともあるものだ。

 さて、どこの道が抜けているだろう。

 最近はずっとこの道を使っていたから、他のどの道が通じているのか、よく分からない。

 とりあえず、適当に歩いてみることにしよう。


 はて、今日はどの道も行き止まりだ。

 何か工事でもやっているのだろうか。

 この先に行きたいのだけど、どうしたらいいだろう。

 とりあえず、他の道を探すというのはもう無理だ、さすがにここまで行き止まりになっていると、他の道も全部行き止まりになっている可能性が高い。

 道を塞いでいる壁を上ってみようか。

 ここの壁は材質不明ののっぺりとした白壁じゃなく、煉瓦積み(表面上は)なので、上れないことはないだろう。

 ようし、と最低限の準備運動だけして出っぱた煉瓦に手をかける、と煉瓦が引っ込んだ。

「む」

 引っ込んだ煉瓦の代わりに出っ張った煉瓦に手をかける、とそれも引っ込む。

 手をかける、引っ込む、手をかける、引っ込む、次出るところを予想して手をかける、出っ張らない。

 そんな壁との駆け引きに全敗して、さすがに疲れた。

 どうしてもこの先には行かせてくれないらしい。

 さすがに、これは無理だと諦めて帰ろうとして気づく。

 そもそも、今が帰路だったということに。

 さてどうしようか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る