第390話:コロモロ・ベアナ~誰か、僕の故郷を知りませんか~

「出身は、カラベアラリ?」

「はい、カラベアラリのコルテラ地方の生まれです」

「うーん、カラベアラリ、カラベアラリ、登録されてませんねぇ。本当にそんな名前の世界の生まれなんですか?」

「そんなこと言われても」

「そうですねぇ、上に連絡してデータベースでも漁ってみますか」

 死後、異世界と呼ばれる場所に転生してしまい、最初に出会った管理受付だという人にそんなことを言われてしまった。

 どうやら、僕の故郷は存在しないらしい。

「上にも確認してみましたが、カラベアラリという名前の世界はないそうです。まぁ、新世界発見かもしれないということで仮登録しておきますね」

「はぁ……」

 なんとなく納得のいかないまま、登録受付というものは終わった。


『また、何かあったらこちらから連絡が行くと思いますので』

 そう言われ、渡された通信を含む多種機能を持つ道具を渡され、宿、いや、これからの巣に案内された。

 この世界では、僕の生まれ育ったカラベアラリが認知されていない。

 登録受付の人の話では、ありとあらゆる世界からこの世界へ転生してくるという話を聞いたのに、カラベアラリのことはわからないという。

 僕の知る限り、あの世界で死んだ人はいっぱいいたし、その人たちもこの世界に来ているはずだ。

 ……そうだなぁ、やることもないし、しばらく僕と同じ世界の生まれの人、それかせめて知っている人を探してみようかな。



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