第360話:キリマ・ユリ~今日は昨日かそれとも明日か~
目を覚ます、いつもの、知っている天井が目に飛び込んでくる。
「今日は、何日だ」
壁にかけられたカレンダーを見る、夏の4日大分先まで来たな。道理で気温が高い。
一度水を飲みに行く、記憶にある場所に蛇口がない。
いつ、なぜリフォームをしたのかと、考えるだけ無駄なので、一度水は諦めて日記を確認いに行く。
これだけは、決まっている位置から動いていない、当然だ、さすがにこれを失ってしまうことはない。
日記を開く、日記といってもこれは何があったかではなく、翌日何をするべきかが書いてある。
昨日、誰かと何かを約束して今日予定があったり、消耗品を買いに行かなければならない等、昨日気づいたが今日やらなければいけないこと等も大まかに書いてある。
色々と問題が起きるので何があったか等の詳細な記録はしない、その日になったときに知っていることでずれるということがあるかもしれないからだ。
今日の予定は、4時に役場で職業更新手続き、なんだ、また仕事を変えたのか。
今度の仕事は何にしたんだ?この体質がら、人間関係の構築に苦労する、今日作った知り合いが明日にはまだ知り合っておらず、初対面の知り合いがいることもある、思い出を作っても明日の知り合いはしらないこともあるし、まだ知らない思い出を語られることもある。
全く、難儀な体質だ。
一通り日記に書いてあったタスクをなんとか多少の問題を起こしながらもこなし、時間は夜、今日新しく発生した予定を日記に書き込み、明日はいつの自分として目を覚ますのか、不安半分楽しみ半分で眠るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます