第310話:カシファン-マーナシア〜所変われば言葉も変わる〜
「これ×××××だよね」
「なんて?」
会話の途中で聞きなれない言葉に遭遇してしまった。
さすがに聞き取れず意味がわからなかったので聞き返す。
「これ×××××だよね?って」
だめだ、聞き直しても聞き取れない。
×××××ってなに?って聞き返そうにもいまいちどう発音するのかもわからない。
「その××*×…*?ってのがわからないんですけど」
「××*×*?ああ×××××のことね。知らない?×××××」
知らないし、×××××はいったいどんな発声をしたらでる音なのかもわからない。
「知らない、×*××*ってなに?」
「あはは、言えてないよ×××××ってのは+×+×*^*+が**^++したときの台詞で」
「え?なに?」
ところどころの単語がまったくわからない。
「++^+^*が**×+^×してなんだって?ていうか++×+^とか*×++××*もなにかわからないんだけど」
そもそも聞き取れないんだけど。
「+×+×*^*+は*+××の**+*で**^++はその×+^*+++」
だめだ、聞けば聞くほどわからない音が増えていく。
今の今までは普通に会話できていたのになんでこんなことになったんだろうか。
「^*+×*も+××+^×も何にもわからないんだけど、そもそもどこの言葉?」
「私の地元の、×^**×の言葉だけど、知らない?」
「知らないよ、私が話せるのは共通語とモッペの言葉を4つぐらい。異世界の言葉なんて知らないって」
「うーん、そうかぁ。でもなぁ×××××に相当する共通語がないんだよね」
「対応する言葉が無いのなら、なんとか翻訳してみようよ。協力するから」
この後、二人で何日もかけて×××××に相当する意味を共通語の組み合わせで作った結果、「極限状況下でも愛し合う二人の息ぴったりな攻撃を受けて改心した悪の首領が最終決戦の前に食べがちな粒状の料理を誤って溢してしまった料理人の台詞」という結論になった。
結局意味がわからない。
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