第205話:コンニキ〜ラビリンスタワー〜

 ラビリンスタワーと呼ばれる建造物がある。

 内部は迷宮が広がっている塔で結構この世界の至るところにある。

 昔この世界にいた迷宮職人の世界の人達が作りまくり、迷宮職人達が滅んだ後、放置された。

 放置されたラビリンスタワーはいつからか魔物が転生してくるスポットになり、魔物犇めく恐るべき迷宮となった。

 と、いうことが観光パンフレットに書いてあった。

 そして私は今からそのラビリンスタワーに挑むのだ。

 ラビリンスに挑む用の装備はラビリンスタワーの麓の町で扱っている。

 ラビリンスで狩れる魔物の素材を使って質の良い武具を扱っているようだ。

 武具以外にも、ラビリンス自体を観光名所として扱っているらしく、観光地らしいものもいろいろ売っている、お饅頭とかを売り歩いている人たちもいる。

 いろいろなお店を覗いて、良くて安い物を探して回る。

 できれば、仲間も探したい。

「お嬢ちゃん。この銃はどうだい? ラビリンスタワー初心者におすすめだよ! イミルニギアの爪を溶かして作った弾を100発セットで500パソだ。これさえあれば三階までの魔物は苦労なく倒せるね」

 イミルニギアってなんだろう。爪があるらしいけど、全然わからないや。

「あ、じゃあそれください」

 勢いに圧されてよくわからない武器を買ってしまった。

「あと、仲間を探したいんですけど」

「仲間? なんだいお嬢ちゃん迷子?」

「違いますよ、一緒にラビリンスタワーに登ってくれるパーティーを探してるんです」

「ああ、パーティー探しね。それならそうだなぁ、」

「なんです?」

 ジロジロと体を見られる。

「いや、そのぐらいの体のガンナーを探してるパーティーがいたなぁって」

 体格?

「確か、4番通りの酒場で募集の広告を出してたはずだから、行ってみるといい。それとも他に何か買ってくか?」

「そうですね、じゃあさっきの弾をあと200で」

「まいど。あのパーティーに入るならよく顔を会わせることになるだろう、またな」

「はい、ありがとうございました!」

 そうお礼を言って、教えられた酒場へ走る。


「あら、いらっしゃい。あなた達のパーティに入りたいって子が来てるわよ」

 そういう、声が聞こえて振り向くと四人ほどの武装をした人達が店主さんと話していた。

 その人達は店主さんがこちらを指差すと、内の1人、私と同じくらいの女の子が笑顔で駆け寄ってきた。

「って、あれ?ちょっとその勢いだと――きゃあ!」

 そのままの勢いで抱きつかれた。

 彼女が軽装備じゃなかったら死んでいた気がする勢いだ。

「あなたいいわね! ガンなーなのよね?助かるわぁ、うちのパーティ遠距離攻撃できる人が少なくてねぇ」

 あわわわ、勢いが強い。

 喋りも、タックルも。

「ほれ、その辺にしろ」

 彼女はゆっくり追い付いてきた他のメンバー、その中でも1人だけ背の高い男の人に摘ままれた。

「だってぇ、嬉しくてさー」

 他のメンバーも追い付いてきて会話が進む。

 既に私もパーティーの一員のように話しかけられる。

「そういえば、まだ名前を名乗ってなかったわね」

 今更のように、最初にタックルしてきた子が言い出す。

「私達は迷宮饅頭販売パーティ、タフテシスよ。私がリーダーのホクチ」

 へぇ、迷宮饅頭販売パーティー………、なに?

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