第140話:カツルノール〜コレクターズアイテムコレクター〜
壁一面棚だらけ。
壁一面どころか部屋の中は棚だらけだ。
棚に並ぶのは全て収集することを前提に作られたアイテム達。
玩具フィギアカードメダルコインポスター時計包丁武器魔道具と集めることが出来るものはかなり集めて並んでいる。
昔から収集癖があって、この世界に来てからは衣食住が完全に保障されることもあって、稼ぎを全てこういった収集につぎ込むことが出来るんですよね。
そういったことを続けていたら取材の人が来た。
「いやー、すごいコレクションですねぇ」
「でしょう、稼ぎは全てこれらにつぎ込んでいますからね」
「へぇ!なんのお仕事を?」
「魔鉱石の鑑定の仕事をしております、これが結構な稼ぎになりましてね」
「いやーいいですねぇ、僕も好きでこの仕事をしているので文句は言えませんけどね」
「いやいや、毎季毎季何を買うかを慎重に吟味して買ってますよ」
「一番のお気に入りは?」
お気に入りを聞かれて、棚から面白いステッキを選びとる。
「これですね、ステッキなんですけども、持ってみてください」
「普通のステッキのようですけど?」
「振ってみてください」
「はぁ、ってうわぁ!折れちゃいましたけど?」
「ええー、折れちゃったんですか?」
「折れちゃったんですか?じゃないですよ、僕知ってますよこれ、勝手に折れる君でしょ!」
「なんだ、知ってたんですか驚かせようと思ったのに」
「知ってても驚きますよ、驚かせるためにこれお気に入りとか言ったんですか」
「そうですよ、別にそれお気に入りでもなんでもないですし」
「え、お気に入りじゃないんですか」
「ええ、お気に入りじゃないです」
「じゃあ、本当にお気に入りの品はどれなんですか?」
「ないです」
「え、ないんですか?」
「ええ、私はですね、集められるから欲しくなるのであって、欲しいから買っている訳じゃないんですよ」
「えーと、ちょっと意味がわからないのですけど…………」
「うーん、そうですねぇ、私は集めるという行為事態に喜びを感じるのであって、何を集めるかは重要じゃないのです」
「はぁ、よくわかりませんがすごいですね」
「前の世界では生活費を削りに削って集めてしまいましたからね、そんな無理な生活が祟って死んでしまいましたが、この世界は素晴らしいです」
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