第134話:メーティカ-メーティカⅥ〜繁盛している喫茶店〜
珍しく繁盛している喫茶店に私は来ています。
【フォーレトルーン】ではないんですけどね。
今日は臨時休業にして、他のお店の偵察、もとい、羽を伸ばしにきたんです。
ルルニアさんの相談にのってたら自分も少しだけ休んでみたくなったというのもありますし。
それにしてもこの喫茶店、繁盛していますね。
なんでこんなに繁盛しているんでしょうか。
お茶も料理も私の方が美味しいし、メニューもそんなに多いわけではない。
お店の雰囲気は多少こちらの方が明るめ、従業員の女の子の服装もかわいい。
これかだろうか?
お店の雰囲気で入りやすくなっているのだろうか。
このお店にカウンター席は4脚あって、うちは7脚。
逆にテーブル席は二人掛けのものがこのお店には8つ、うちのお店には4つ。
四人掛けはこのお店に4つでうちに2つ。
席数も影響しているのだろうか。
いや、このお店は満席だがうちのお店が満席になったことなんてボードゲームショックの時しかない。
あれも売り上げには影響していないし、そもそも売り上げはあまり気にする必要はないんですけど。
やっぱりお客さんは多い方がいいじゃないですか。
え、おかわりは無料サービスなんですか?
これは参考にしよう。
さて、長居するのも良くないですし、そろそろ帰りますか、二時間程もいましたしね。
出るときに
料金はうちとあまり変わらないですね。
さて、色々調査してわかったことなんですが、外装内装は文化の違いがありますが、どちらも喫茶店として違和感がないです。
雰囲気は少しだけ向こうの方が明るいですが、落ち着けるお店ということでうちも利点はあります。
席数もうちは埋まったことがないし関係ないですね。
メニューの豊富さ、美味しさで言えばうちは完全に上ですし、なんでお客さんが少ないんでしょうねぇ。
…………いや、わかってますよ?
あのルールが原因で、お客さんがビックリして口コミでお客さんが減っていることぐらいわかっています。
店員に対する精神的苦痛を肉体的苦痛に変えてお客さんにお返しするというルール、これがお客さんを寄り付かせなくすることぐらいわかってたんですよ。
もしかしたら、他に圧倒的に劣る点があるんじゃないかな?って思って偵察に来たんですけど、やっぱりそのルール以外にないという結論になってしまいました。
このルールはオーナーの決定ですし、撤回するわけにはいかない。
たとえ、撤回したとしても広まった口コミは撤回できない。
うーん、どうしようもないかなぁと思いながら自分のお店に帰るとお店の前に何人かの人がいました。
「あれ、ファクタさん?モンスさんに、…………」
常連さんのうちの特によく来る人達が来ていた。
総勢23人。
「今日はお休みなんですけど」
「臨時休業だろ?病気じゃないかと心配してなぁ、みんな集まったのは偶然なんだけどな?」
「別に今日は特に理由もなくお休みなんですけど、なんでお休みの日に限って皆さん来るんですか?」
「さぁなあ?今日はみんな気が向いただけだ」
「仕方ありませんね、今からでいいならお店を開けますね。皆さん、チョップ一発ずつです」
フォーレトルーン開店以来初めて満席になった日がまさか休業日になるなんて。
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