第135話:テンポル-モモルト〜健康的に歩く〜
最近、太ってきた気がする。
体重計というものが部屋にないのではっきりとしたことはわからないが、以前に比べてずっしりとした重みを自分の体に感じる、主に腹回り。
触ってみると、つまめる。
むにっていった。
かつてこんなにも太ったことはなかった。
前世の記憶を思い返してみれば、日々忙しく走り回り、食べられない日もあった。
そんな日々の連続であり太っている暇などなく、むしろ細マッチョ、スレンダー体型として、周りからは羨望の眼差しを向けられていた私が、この世界の働かなくても毎日5食は食べられる、移動は浮遊板に乗って歩かなくなってしまったのが原因か。
これは、非常に不味い事態だ。
流石に太りたくはない。
私は太るのは初めてなのだが、周りにいた太っている人がどれだけ大変な目に遇っていたかはよく知っている。
暑い時期は汗が止まらないし、周りからは疎まれるし、健康的にも良くないし、動きは鈍るし、仕事の効率も悪かった。
そんな人を見ていたこともあり、太るということに対してあまりいい印象がないのだ。
よし、痩せよう。
痩せる為にまずはダイエット計画書を作ろう。
いままで一度もダイエット何て調べたことは無いが、運動すれば痩せるというものでも無いらしいことは太っている友人から何度も聞いた。
運動していれば太らないが、運動すれば痩せるというものでもないらしい。
運動しなければ太っていく一方なので、運動はするのだが。
太らないための方法以外に痩せるための方法がほしい。
調べていくと、【痩せる薬】なるものが存在していることがわかった。
飲むだけで痩せることができる薬など、元の世界でこんな広告を出されたら詐欺を疑うところだが、ここはなんでもあると言われる異世界、飲むだけで適度に痩せることができる薬があっても不思議ではない。
見つけたサイトは通販サイトではなかったが、どこにあるお店で取り扱っているかは書いてあった。
テロン街という街にあるお店で買えるらしい。
ある程度下調べをして、やって来たテロン街。
おすすめ装備だった、携行食料、
迷わないようにナビアプリも最新版にした、残念ながらテロン街専用の物は手に入らなかったけど、大丈夫だろう。
グローバルネットで手にいれたアドレスを目的地に設定し、いざ出発。
疲れた。
最近は本当に運動とかしてなかったんだなってしみじみと思う。
かれこれ半時間程歩いているけど、ナビの指示が無茶苦茶すぎるのもあってすごい疲れる。
階段の手すりを乗り越えて下に降りるってなんなの?
そうでもしないと行けないお店ってすごい変なんだけど、いや、街自体が変なのか。
やっとの思いで痩せる薬を扱っているお店にたどり着いた。
「やぁいらっしゃい、何の用だい?」
店主さんは若い男性で、ひょろひょろな見た目の人でした。
痩せたいとは思うけど、ここまでではないかな。
「あの、えーと、痩せる薬があるって聞いてきたんですけど」
「ああ、痩せる薬ね。これだよ、だけど、この薬、このお店から持ち出すと1日もたずに効果が無くなってしまうんだ。
だから買い溜めってのはできなくて、だいたい1週夜ぐらい毎に一度受け取りに来てもらいたいんだ」
「それでもいいです!」
痩せる薬が手にはいるならば、そのくらいどうってことはないですね。
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