第5章 まっすぐな直球をストレートで 第1話 30歳になった

私は30歳になった。



私は仕事に真剣に打ち込んでいた。


私にはそれしかなかった。



ガムシャラになって働いていたら異例のスピード昇格で新設された部署の部長に抜擢された。


独り身の私はカネが必要なこともさほど無かったが、ナナと住むために借りた今の住まいの家賃に焦らなくてもよくなったのは助かった。


新しい部署の長となりただでさえ忙しいのに、より忙殺されるようになった私は、はたから見ても不健康ここに極まれりだった。



、、、、、、、、、、、、



私は部下を持つようになった。



部下の名は奥藤(オクトウ)。


小柄で、ジョーカー並に口角が上がり過ぎてるから常に笑顔に見える女性社員だ。


奥藤にはたまに飯を奢ってやった。


仕事の話をしてやった。


どうやら好意を持たれているようなので、温泉に誘ったらホイホイと着いてきたので抱いた。



奥藤『、、キラキラしてるっ、!!』


私『、、???』


奥藤『、、ああ、凄い!嬉しい!!、!』


、、、、、、



奥藤は処女だった。



私はいつの間にやらずいぶんと荒んで鈍くなってしまっていたが、まっさらな奥藤のまっさらなリアクションひとつひとつが、私の中の白い部分の存在を思い出させてくれた。


カラカラの乾きに水が染み入るように、私の心がほぐされて柔らかくなっていく事が実感できた。



、、ああ、、この子となら、、



私は、そんなことを考えながら奥藤の中で果てた。




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