第4章 そりゃないぜBABY 第1話 ナナ

顔の良い毒女と6年付き合ってようやっと別れた。



、、あぁ、、グアムの空は青かった、、。



海で泳いで、パラセーリングして、潜って、鉄砲撃って、馬に乗って山登りして、逆バンジーして、スカイダイビングしてきた。


前の彼女へのモヤモヤした気持ちなどは上空4000メートルに捨て去ってきた。


、、あぁ、、スッキリ。


それにしても、筋トレしといて良かった、、。



グアムから帰ってきてもう1週間は経つのだが、なんだかちっとも帰ってきた実感がわかない。



、、、、ふう、。



私は、仕事の手を止め、大きく伸びをした。


周りを見渡す、、1人の女子社員と目が合った。


、、ら、目をそらされた。


女子社員はナナミ。


皆からはナナと呼ばれている。


5歳年下の22歳で、グアムにも一緒に行ったメンバーの1人で、とてもおとなしい性格で声を出さずに顔をクシャクシャにして笑う。


そしてグアムで判明したのだが、、、細身なのに巨乳だ。



うーん、。


お近づきになりたい、。


そんなこと考えて話しかけてみたら、なんかDVDプレイヤーが家に無いとか言ってるからうちはプレステで観れるからと我が家のDVDプレイヤーをナナにあげることになった。


どうせあげるなら、と、休みの日に会って家まで届けることになった。



よっしゃッッ!!!即ッッキメる!!



〜当日〜


そんな私の思惑を知ってか知らずか、ナナは待ち合わせ場所で顔をクシャクシャにして笑ってこちらに小さく手を振っていた。


私はDVDプレイヤーを入れた大きめの袋を肩に掛けて


私『あー、おはよう。なんか変な感じだねw』


と言うと、


ナナ『ぉはようございます//』


と、ナナは両手を私に差し出した。


私『、ん??どした?』


ナナ『いえ、わざわざ持ってきてもらうの悪いので、。

私ここから持って帰るのでもう大丈夫ですよ。』


おっと、ナナは人に気が遣える子なのか。


それとも防衛本能が働いたのかは判らないが、ここで帰されては意味がない。


それじゃただDVDプレイヤーをナナにあげるだけじゃないか。


私『、あー、、ごめん、。説明書がなくてさ。ちょっと面倒な設定がひとつあるからそれだけやってあげるよ。』


ナナ『、、そうなんですね、じゃあ、、どうしよう、、。』


私『とりあえず、ナナの家に行こうか。チャチャっと済ますから。』


ナナ『、、じゃあ、お願いします。』


もしかしたら、ビビらせてるかな??


少し様子を見ようか、。


私とナナは他愛もない話をしながら、ナナの家に向かった。


ナナの家は駅からそう離れておらず、小さなアパートの二階に一人暮らしをしているようだ。


ナナ『ここです。』


私『へ〜良いとこだね。』


私は適当に答えながら家の場所を脳にしっかりとインプットした。


ナナはまた両手を私に差し出して、


ナナ『ありがとうございます、あとは自分でやりますから、。』



、、、ふう。



私『わかった、とりあえずドア開けて。少し重いから中に入れちゃうね。』


ナナは、、、ドアを開けた。


ナナ『恥ずかしいから早く玄関に置いて出てくださいね。』



私は短い時間の中で部屋の中を強烈なサーチライトを出しながら一瞥し、玄関にDVDプレイヤーを置いて、


私『判らないことあったら教えるからね』


と、ナナの家から退出した。



私とナナは私の提案で近所の回転寿司に昼飯を食べに行くことになった。


自分の家から離れた安堵感か、ただ単に寿司が好きなのか、ナナは少しテンションを上げて仕事の話や友人の話、パンが好きなことなど色々な話をしてくれた。


ナナを家に送る途中、会話の中で、


ナナ『好きな人とかいないんですか?』


などとフラグをブチ立てられたので


私『、、いるんだけど、どうかなぁ、うまくいくか不安でね。』


と、ベタに返す。すると、


ナナ『ええぇ、いるんですね!意外!言えば良いのに!絶対うまくいきますよ!』


と、今日一番の声量で丁寧にフラグを立てて言ってくるものだから、ここは流れに従って、



私『ナナだよ。』



と、言ってみる。

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