第2章 不規則なセイカツ 第5話 ニノとミーコ

カーテンの隙間から差す陽光は角度を低くし、

夏が過ぎ秋になったことを知らせてくれる。



眼に当たる陽の光に眠りを妨げられ、


『まだ早朝じゃないか、、。』


と独りごちる。


気温の低い部屋に身震いしながらベッドに半身を起こすと、隙間風を嫌ったのか同衾者に布団を剥ぎ取られた。



ミーコ『、、ぅはよ、。、寒いょ。』


私『、、、おはよ、。、、寒いね。』



1人用の布団からはみ出たまま寝ていたために冷えてしまった身体を暖めるべく、私はまた布団にもぐり込み、お互いの冷えた裸身をさすりあった。



、、、、、、


、、、、、、


、、そう。



私はニノという彼女がいながら、いつからかニノとミーコとの二股ライフを始めていた。



その行為が、瀕死のアスカの前でペニーをシェイクしてるシンジ君並みに最低だと判っているのにも拘らずだ。



最低だ、私は、。


私は、私が軽蔑すらしていたニノより酷い。


浮気を繰り返してしまうヒトよりも、

浮気をされて浮気をするヒトのほうが酷い。


ニノとミーコ


どちらも失いたくないという下衆な想いが、私の本能を言い訳に理性を従わせてしまった。


わかっちゃいるけど、始めてしまった。


つまりは、仕方がないことなんて何ひとつ無く、2つの異なる趣向で己の快楽を充したいだけ、ただの私の我儘でしかない。


そのうちどちらかと折り合いをつけて、、


なんてクソみたいなこと考えてるうちにいつの間にか夏が終わり秋になっていたのだ。



現在、ミーコと私は付き合っている。


セフレではなく、彼氏彼女としてだ。


私はキチンとミーコに想いを伝えて付き合っている。


ニノのことはミーコに何にも伝えず付き合っている。


もう一度言おう。


最低だ、私は、。



、、、、、、



ミーコはベッドから起き上がり、服を着て、トテトテとキッチンに向かい湯を沸かし始めた。



ミーコ『コーヒーと紅茶どっちが良いかな?』


私『、、紅茶がうれしい。』


ミーコ『はーい///ワタシも紅茶にしよ♪』


キッチンに立つミーコの後ろ姿を見ながら、早くケリをつけないと、、。私はそればかり考えて上の空になっていることが多かった。


ミーコは、純粋で、純粋で、小さな幸せを上手にみつけられる子だった。


そんなミーコを裏切っていると思うと、私は私を許せなかった。



決めた。



会って伝えたい気もするけど、またズルズルとなってしまう気がするし、最期に!♂♀って、クソみたいな事も私は考えてしまうだろうから。



今夜、ニノに電話をして終わりにしよう。

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