第1章はじめての彼女ができるまで第10話 ハサミ討ちの形
高校2年の冬。
また来たぜ!クリスマスッ!!
今年も学校の連中が集まって何かやるらしい。
去年はなかなかモヤモヤさせられる感じだったが、、、今年はどうだろう?
今回は15人位集まってのパーティらしい。
クラスの女子の家に皆が集まることになったのだが、、、15人だ。
結構多い。
去年は一部屋に5人で【示】の字で寝たものだが、今年は、、15画だと【器】とかだろうか?
なんてこと考えながら集合場所に着き、皆でゾロゾロとその女子の家に向かったのだが、、
それは余計な心配、取り越し苦労だった。
集合場所となった女子の家は、
なんというか、、超豪邸だったからだ。
玄関こそ結構広いなってくらいだったけど、、
廊下長え、、。
通されたリビング?には私の実家が丸ごと入りそうだ。
なんだこれ。
、、まぁ、、世の中には色々あるもんだ。
こんな家庭もあるだろうよ。
パーティは皆で御馳走食べて飲んで騒いでしただけだったが、いちいち小洒落たモノが出てきてなかなか楽しかった。
プレゼント交換とかもしたけど、私が何を買ったかも誰が貰ったかも、私が誰のプレゼントを貰ったかも記憶に残ってないってことは、お菓子かノートか鉛筆でも渡しあったのだろう。
夜も遅くなり、そろそろ帰るって子が出てきたので皆で帰ることになった。
駅まで行き、帰ろうと思ったのだが主催者であるブルジョア女子がまだ遊びたいとか言い出した。
まぁ、、クリスマスに家に帰って何が楽しいワケでもないですから、。
と、思ってかどうかは知らないが、残ったのは私を入れて7人。
残って何をするのかと思っていたが、結局飲み足りないということになり、なんだかんだで近くの小学校に飲物を買って進入し、またグダグダと皆で話をしていた。
飲んでるせいだが、かなり皆ダラしなくなっていて寝てたり吐いたりしてる中、私は至って平静だった。
高校1年の春から毎週のようにバイト先の大学生に囲まれて飲んでいる私としては、飲み方も自分の限界も心得ていたし、飲めば飲むほど白くなるほうなので見た目もまったく変化なかっただろう。
皆がバタバタと倒れているのを少し遠巻きに見ていた私の方にブルジョア女子→ブル女が近寄ってきた。
こうしてブル女のことを改めてちゃんと見るのは今日が初めてかもしれない。
ブル女は少し黒めの肌で切れ長の目にアイメイクをしているので、イカツイ不良系の印象に見えるが、話せば普通に明るいし口調も綺麗なロングヘアーの美人さんだ
そのブル女がこちらに近寄ってきた。
近寄ってきた、、?
否ッ!!
乗ってきた、、!!
はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわやわやわやややややややややわわッ!!
私は背もたれの無いベンチに座っていたのだが、ブル女は私の太ももの上に向かい合ったまま座ってきた、!!
私→ポルナレフ←ブル女
つまり、ハサミ討ちの形になるな、、、
って、、ええええぇェ、。
何してんの!?この人!?
完全に酔ってる!?
私はビビって固まってるが、
ポルナレフはビビってフニャチナーだった。
どうか、、どうかそのままでいてくれ、!!
私は情けなく、
『何何何何??どしたどしたどした??!』
と、声を上げるが、
ブル女『、、なによぅ、嫌らのぉ?、、うりゃ〜!』
と、抱きついてきたッ、!!
エンカウントだ!!
場面は切り替わり、辺り一面に草原が広がる。
柔らかな陽射しが降り注ぐ中、私は1匹の白いケモノになって御日様の光をタップリと浴びた洗濯物を取り込んでいる。
カゴに入ったタオルなどを短い手足で丁寧にたたむ。その弾力と反発が愉しくて仕方ない、といった感じだ。
お金なんかチョットでフワフワ!!
フワフワ!?
『、、フワァーッ!?!』
現実世界もフワフワなコトになっていた。
位置的にも丁度ブル女の上半身前面にある2つの膨らみの中央に私の顔が埋められている、、!
何だコレ!?
、、えーと、ィイヤッホゥッ!!
兎にも角にも、、柔らかいのだが、そのままマシマロに貪りつくワケにもいかないと思い、出来るだけ力無く抵抗のそぶりを見せたり見せなかったりして未知の弾性を堪能した。
頃合いを見計らって、私は
『チョットチョット、苦しいってッ!』
と、苦しい発言をしてみたのだが、ブル女は、、トロンとした目でこちらを一瞥して、、、私に唇を重ねてきた、!!
な!?なんだってェーッ!!
、、ええい!ままよッ!!
と思ったかどうかは定かではないが、私の脳は完全に思考停止し、
《ブラボー!!オー!!ブラボー!!》
と、ポルナレフも仰け反り気味でしばらくチュッチュフワフワしていたら、突然ブル女が涙を流して泣き始めた、、!
、、、、、
な、、なんだってーッ!!?
わけがわからないよ、、、!
私か!?私が悪いのか!??
何で!?
、、まぁ、悪いだろう、、。
なんたって、ブル女泣いてるし。
、、まだやんわり触ってるし。
仕方ないから、、すべてを右手に宿る祟り神の所為にしようかと考えていたら、ブル女が私の膝から降りて隣に座り、話しかけてきた。
ブル女『、、、あのね、、』
私『、お、おう』
ポツリ、ポツリ、とブル女が喋りだした。
泣いているのと、酔っているのとでなかなか話がまとまってはいなかったが、要点をまとめると、、
彼氏?がいる。
20歳なので4つ歳上。
彼氏につり合うように自分は出来るだけ大人っぽくしている。
彼に嫌われたくないから断れずに粘膜バトルをしている。
彼氏にキスをされたことがない。
それはきっと愛されていないから。
だから切なくて哀しい。
まとめるとこんな感じだった。
えええ、、、と?
私、関係無くね!?
と思っていたのだが、
ブル女『ありがとね、、優しくしてくれて、、』
私『お、おう。』
ブル女『よし、帰ろ♪』
と、言い残してブル女は皆の輪に戻り、寝てる人達を起こし、私も倒れた奴らを介抱し、狂宴は御開きとなり、皆それぞれに家に帰った。
家に帰り、我に返り、思った事といえば、、
コレが、、、
ラッキースケベってヤツか、、、
今年のクリスマスも、とりあえず色々な意味でアテられた夜にはなった。
収穫アリ。
ということにしておこうか。
、、、、、、、
なかなか彼女って出来ないもんだな、、。
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