テンセイの政治家
あまね
第1話
今世に迷いなどない若者がいるとすれば、僕自身は、その若者を尊敬するだろう。
今世に迷いを抱きながら、進む若者がいれば、僕自身はその若者を頑張れと応援するだろう。
華やかに生きようと、迷いながら生きようとどちらも素晴らしいと思う。
何も考えずに日々を生きている、惰性で生きようとする僕自身よりは、素晴らしいものだと思う。
給料泥棒、税金泥棒、誇りは無いのに埃だらけの人間、風見鶏、反対だらけの人間、腰巾着等々、数えたら気が滅入る程に、ネットで書かれ、場合によっては、職場でも言われてきた前世の僕に比べれば、それは素晴らしいものだと思う。
分かっているのは、僕自身はそう分かっているくせに、生まれ変わろうが、ロクな人生を送れないと言うことだろう。
死んでやり直しなんて、僕自身には許されることが無いのだ。
あぁどうも生まれ変わりましたので、真っ当に生きようと思いますと言う事も行うことも出来無いのだ。
前世は、小物議員。
今は、小物で器の小さい貴族。
世間はこう言うだろう。
貴族と言うものは、楽でいいね。
前世でも言われた言葉だ。
政治家は楽でいいねと。
神様からお詫びでも、幸でもなく、不幸でもなく、ただただ前世からの罰として、生まれてもロクな大人にならない。
志の低い僕が一番分かっている。
前世の僕は、国を変えたいと思っていなかったのだと、そして何もこれからも僕自身によって変わるものなど無いのだ。
テンセイの政治家 あまね @kinomahiru
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