雪色


雪色


雪が降ってきて

別にセンチメンタルな感情に悪酔いするわけでもなく

寒さを嫌う僕は

目覚めた冬に笑われた。


 


雪色。

音色。

顔色。

色々。



白の舞いが伝える少し愉快な交響曲。

眠る鼓動すら素敵な音楽

仄かの静寂の中で刻む足跡

すぐに消える。まるで僕らの残してきたものみたいだね?


 


雪色。

白色。

無色。

笑う

顔色

青色


 


過去を殺したがる僕ら

雪に全てを埋めてみたけど

いつか冬は終わり

いつか春が始まることも忘れていたんだ。

目覚めた芽は

そんな痕を見て、どんな鈍色の花を咲かせるんだろうね?


 


花が咲かない冬が永遠であれと?


 


雪色。

銀色。

色白。

君色。

香り。

巡る。

春色。

黄色。


 


立ち尽くしたまま見る夢は

純白化粧の泣き顔?

全て雪に埋めてしまいたい、なんて笑いながら。

僕ら、結晶の一つ一つを抱きしめて


 


眠る春が欠伸を漏らす。

目覚めた冬が小さく笑う。

僕ら、温度を忘れて歩き続ける。

足跡、全て雪と消え行くその瞬間を忘れながら憶えながら

彷徨う銀夜と星の運行

それすら雪が溶けて消えゆくような、希薄な夢なんだろ?


 


雪色。

何色?

僕の

足跡

何色?

雪色。

何色?

君の

足跡

何色?


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