140字の言葉たち【10】



素敵だね、って言いたい。

ありのままで

当たり前で

当り障りのないコトバとか

そんなことじゃなくて

ありったけの気持ちで

ありったけの言葉で

素敵だね、って。

君が本当に素敵だね、って。

そんなの当たり前だけど

本当に素敵な君に、君だけに。




ショータイム踊らされて

金で夢を買うように

淡い月の光で

夢見るだけなの?

壊れそうで

堕ちてしまいそうな

弱々しい光の果てに

何を照らすの?

夜の帳の向こう側の

極寒な感情温度を

溶かす術は何もないのに?


だって君との昨日は死んだから。




囁くことはおろか

声にすることもできなかった

なんて単純で

なんて空虚で

なんて重ぐるしい

この渦の中で

声にならない

言葉にならない

気づいてくれたらいいのに

分かってくれたらいいのに

ただ、それだけなのに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る