バックアップ


それは何もない場所で

飲み込んだまま

何もできなくて


言葉数が少なくて

ため息をついて

視界を染める暗闇が

許してくれない


完璧であるほどに

食い込んだアップデーター

完全否定する存在感に

もう擦り切れて


「次の部品ならもうあるよ?」


薄ら笑い浮かべるシステムに

足元をすくわれそうになるけど?


「旧世代の部品が偉そうに」


君が囁く、アナログな声は

バックアップできなくても


「君をコピーなんかできないよ?」


そんな当たり前のこと、

クリーンアップされかけても


消えないものの

一つ二つ


耳元で囁く、アナログな声は

バックアップできなくても


君のこと

きみのこと

きみのことだけが

あふれてる


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る