アイドル抜擢おっぱい魔法戦争!

黒野貴宗

第1話 アイドル抜擢のお知らせ

「−−おっぱいが一番大きい子が勝ち。いいね」

それが、プロデューサーの放った言葉でした。もうすぐ、クリスマス。クリスマスに向けて、サンタコスチュームでデビューするアイドルユニット、【真紅】は、メンバーがあと一人足りないのです。

「お色気担当が、足りないんだよねえ」

プロデューサーは、どうやらそのお色気担当を抜擢するために、12月1日時点で、一番おっぱいのサイズが大きい候補生をアイドルとして採用するつもりらしかった。

 ばかげた話だ、と思うでしょう。……しかし、私は負けるわけにはいきませんでした。私は高校生ですが、大学に進学できるだけの学力や経済力はありませんでした。だから、この春、卒業するまでに…。

「アイドルになれたら、それでいいけど? そうじゃなかったら、就職だから」

それが、母の言葉でした。

 そして、歌も踊りも苦手な私は、ここくらいしか、受ける場所がありませんでした。だから、希望を持って応募したのですが…。私の胸は、Aカップ以下。まな板、なんてレベルじゃないのです。どうあがいても絶望でした。

 もう一人、同じ学校から【真紅】に応募した生徒がいました。宝満えり子。Gカップの巨乳を持つ、お嬢様クラス委員長。

「おほほ。桃乃さんは、どうやってわたくしに勝つおつもりなのでしょうか」

そんな嫌味を言って、えり子さんは悠々と退室していきました。部屋に残されたのは私と、プロデューサー。

「桃乃ちゃん、今更だけどさ、……うん。たぶん、無理だと思うよ」

うん、と確認するように私の小さな身体を眺めて、プロデューサーは嘆息しました。

「いえ! なります! 私……巨乳になってみせます!」

紅葉舞う秋。もうすぐ、11月になろうとしていた。

「なぜなら……」

私も、えり子さんを追うように…いや、追い越すように部屋を出ました。

「私の通う学校は、他でもない、【魔法学校】なんですから!」

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