石の出る夢
@shc_08
第1話
向きは良いか。目立たないか。玉に圧迫感は感じないか。股間の安全を脅かすものはないか。そう、男とは常に下半身の状態を気にして生きている。一歩外に出れば玉の取り合いである。たぶん意味は違う。
『おう、ジョニー、調子はどうだい』
妻が寝息を立て始めてから僕は自分自身の自身に声かけをする。そう。男は皆、下半身には名前をつける。一時期左右の玉には“デッ”と“プ”という名前をつけようとも思っていたがどっちがどっちだか分からなくなることが多かったため、玉の名前はいつの間にか無くなっていたのは余談である。E-ROTICが流行ってた頃はビリーボーイと名前をつけていたが、そもそもビリーボーイはまた別の意味だったので改名をしたことは更に余談である。ジョニーが僕の声かけに応える。
『ああ、なんか知らないがな旦那。右の玉が…疼くんだよ。ヒリリと来やがる。どこかにぶつけたのかもな。なんにせよ明日からはこの玉をフォローしながら生活してくんな』
ジョニーの声は若本規夫である。若本が言うならその通りにしよう。お休み若本。
今思うと玉が痛かったのは人体の変化を僕に教えるためだったのかもしれない。あ、玉の話自体はここで終わりです。もうなんかそれどころじゃなくなってしまったので。
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