幻惑のとりでから


愛に背いた翼で 空を駆ける

標べなき希望 それは遥か闇の涯て



穢れなき 罪過つみに抱かれ

微笑むあなたよ ただ強く生きて



生まれる前に そっと交わした約束

憶えてる あなたが何を求めていたのか



行方しれずの方舟にゆられ

まだ この心は暴れてる



いつか騙された夢に 目覚めた檻の中

騒ぐ鳥たちのこえに気づいた輝きで



教えてほしい 無駄なものは何ひとつないのだと

枷になる 温もりほど あたたかいと独り知る



あなたが月の痛み 飲み干したまま 嘘に沈むなら

私は 風が生まれる 明けの星の神話になろう



心にもない勇気つなぐより 

その手ですべて壊して


命はいつでも 貪欲なリビドオ



傷だらけの羽根で 懺悔の刻をさまよい

このかいなみつけた夜明けには



もう 死出の旅路につくの

いつか出逢えた戯れ 毀れる砂のように



ひさぐ私は 道化の嗤いにまみれて

教えてほしい 泪だけで救える明日の術を



キズになる 偽りほど いとおしいものなのだと

あなたを心の奥で殺めていた日々 胸に刻んでは



私は海をただよう 種がゆき着くもりになろう

数多あまた結ぶすべてに 


ただ この瞳孔を凝らして



この幻惑のとりでから もう赦してもいい 

ただ一つの夢をはなつの



枷になる 優しさほど あたたかいと此処で知る

あなたが星のしずく 葬ったまま 夜を紡ぐなら



私は 光かかげる 明けの星の御伽おとぎになろう

行き先のない未来さがすより その声に気づいて



あなたが月の痛み 飲み干したまま 愛を冒すなら

私は 風が生まれる 明けの星の神話になろう



心より遠い勇気つなぐより この刹那信じて


この刹那信じて...





luca minamoto@Copyright_2013【ポエトリー】

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