俺と幽霊と...
絵応クロ
DVDに潜み住む者
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今年も夏が来た。本当に暑い...何故こんなに暑いかと言うと温暖化が進行しているからでも、サウナに入ってるからでもない。
その原因はうちのクーラーが壊れているからだ。なぜ壊れたかと言うと、この家の築年数がそれなりに経っている事と、うちの両親がクーラーの交換をしてくれなかったから。
去年の夏の終わり、プスンプスン行ってたのにギリギリのギリギリで乗り越えてしまったため、交換の時期を逃したと言う事らしい。そしてもう1つ...
「789,790,791,792......」
隣の部屋から聞こえる謎のカウントダウンもとい数字が上がっているからこそ、カウントアップとでも言うのだろうか?この際どうでも良いんだけどね。
うちのもう1人の家主、俺の兄貴だ。兄貴はスポーツジムでインストラクターとして働いている。そのため運動が大好きで、人の迷惑なんて顧みない。性格がおかしいのは昔から。俺がそれに気づいたのは...中学生くらいの頃かな。こんな真夏の暑い時間にさらに熱気が増す筋トレなんて理解不能だよ...
両親は今年の春から出張でインドネシアへ旅立った。そのため俺の悠々自適な生活が始まるはずだったんだけれど...
「807,808,809,810......」
暑苦しいしうるさいし...これは苦行だ。俺はあつくるしい兄を避ける様に1階、通称リビングへと足を進めた。とりあえずこういう時は麦茶だ。麦茶で喉を潤しているとそこでふと、友人の高橋から借りた1枚のDVDの事を思い出した。
「おい
高橋は俺にそう言った。こいつは馬鹿でスケベでどうしようもないが、そこそこ憎めなく、ノリも非常に良いため、思いがけない時に役に立つ。そんな彼が俺に渡したDVD。彼曰く夜中の0時ジャストにそのDVDを流すと何かが起こる...らしい。
夏に持ってこい...その言葉が頭にひっかかった俺はとりあえずそのDVDを今晩見てみる事にした。
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