現代リベラル論に基づき二重螺旋を組み込んだ桃太郎。おとぎ話再考の一例
加賀山かがり
第1話
『弟君へ
ご察しの通りかと思いますが、この子の母親はあなたの姉です。
まずはこの子を家の前へと置くような鬼畜の所業をしたこと謝りたいと思います。ゴメンナサイ。
しかし、私にも已むに已まれぬ事情があり、この子を育てることが出来なくなってしまいました。
迷惑だとは思いますし、あなたにもあなたの生活があるでしょうから、無理にとは言いません。
ですけれど、どこかの施設へと預けるよりも肉親であるあなたに育てて頂けると、私としては安心できます。
もし無理だと思うならば施設へと預けて貰っても、構いません。不甲斐ない姉を許してください
桃子をよろしくお願いします。かしこ』
今の仕事を続けながら子育てなんて不可能だ、いやもしかしたら産休とか育休とかとれるか、そもそも子供ってどうやって育てるんだよ、なんてグルグルと頭の中を駆け巡っていきます。
この卵焼きうめぇなとかなんとか考えながら思考とお箸を動かしていた社畜ですが、そこでふと気が付くのです。
「なんで俺は家で引き取るのを前提として考えてるんだ……?」
愛情を沢山注がれて育った桃子はお父さんが大好きでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます