280714 世界観を「説明」じゃなく「会話」しているように見せかける(創作世界観伝え方)

世界観を「説明」じゃなく「会話」しているように見せかける(創作世界観伝え方)


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お絵描き初心者の学習部屋

「ストーリーを引き立てる為の、世界観と設定の作り方」より抜粋

(ttp://oekakigakusyuu.blog97.fc2.com/blog-entry-86.html)


619:スペースNo.な-74:2011/07/17(日) 09:30:09.70


 世界観の伝え方でいえば、AWやSAOなんかはうぇぶらじを聞く限り作者の天然というか趣味らしいが

 「登場人物に設定や世界観の説明をさせる」のが非常にうまい。

 漫画や小説関係なく、その辺りの「都合よく説明する」不自然さを打ち消す展開に持っていく。違和感なく登場人物が「説明」じゃなく「会話」しているように見せかける空気感とか雰囲気作りも大事だと思う。



(昨日と同じ記事の別部分の引用です。

 AW=アクセルワールド、SAO=ソードアートオンライン

 いずれも川原礫の著作)

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 さて、おおよその生活観や世界観は昨日分で想定できたと思います。では、その世界観をどのように伝えていけば良いでしょうか。


 まず、やっちゃいけないのは、脈絡もなく設定を長々と並べることです。

 読者は歴史年表や風俗史を見に来たのではありません。あくまで物語を目当てに見に来ているのです。既にその作品に夢中になっている読者向けに、設定資料集的にまとめるのならば別ですが、それ以外は長々と並べるべきではありません。 


 なので、説明が必要になったら、必要部分だけ説明するのが基本です。説明時には作中の時間経過が止まってしまい、読者に情報理解を強いるため、あまり多くしてしまうと読者が食傷気味になってしまうのです。

 小説で冒頭の説明が長いのは、ゲームで自由にプレイできないプロローグが長いのと一緒です。早く進めよー、と焦れてしまうので、最小限に留めてください。


 三人称などの視点によって、適切な説明手法は異なってくるのですが、基本的に読者のための説明口調にならずに、なるべく自然な形で説明をはさむことが重要です。


 例えば桃太郎を書くとします。そして、現実と異なる要素である「鬼」の説明が必要となります。とっても強くて、すごく恐ろしいらしいです。

 どのように説明すれば良いでしょうか。


①実際に出現させる

 最初から襲わせれば、出てきた鬼をそのまま説明できます。存分にその凶暴性を発揮させれば、さらにグッドです。

 始まりに鬼が島の一幕を描写する断章を出すのもアリでしょう。 


②誰かに説明する

 桃太郎の里は何度か鬼に襲われたことがあるので、大体の人は鬼の生態に詳しいです。しかし、遠くから来た行商人はその存在を知りません。

 このとき「鬼はこんなやつだよー」と行商人に説明すれば、読者にも同時に説明できますし、進行として時間が止まることもありません。


 説明が必要な要素に詳しい人と、それについて知らない人を一緒に出して、作中の人物に説明することを通じて、読者に情報提供をするのはよく取られる手法です。

 主人公が何かのプロの場合、よくこの手法が取られます。典型例は、探偵と助手です。手練れの戦士が無力な護衛対象と行動するときも同様です。

 逆に主人公が未熟なときは、先生や師匠が世界観説明をする場合が多いです。説明しやすいシチュエーション作りを心がけましょう。

  

 何もきっかけがなければ、主人公は普段からよく知っている対象について、敢えて語ったりしません。会話は一番自然に読者に情報を伝達できるので、できるだけそれに沿うようにしましょう。


 基本的に説明中は物語が止まってしまいます。急転直下の謎の襲撃とかであれば、説明するのは避難が終わった後等の事態が落ち着いてからにした方が良いでしょう。脅威が迫っているのに、長々解説は違和感があります。


③作戦を立てる

 ②と兼ねることが多いですが、これも自然な流れです。主人公がよく知っているものであっても、改めて詳細に分析させることができるので、自然と説明思考になります。誰かと作戦を話し合えば、より自然でしょう。

 作戦がいかに困難かをちゃんと描写できれば、決戦に向けた緊張感を高めることもできます。


 

 鬼のように、現代日本にはいなくても目に見える存在の場合は、どんな風貌をしているか、架空のものを説明する必要があります。


 そのときは漫画のように登場シーンをイメージしてください。そして、どこが真っ先に目に入るか、あるいはどんな特徴が際立つかに目を向けてください。動きのあるシーンなら、意図を以て動かしている部位を描写してください。


「――その先には『赤鬼』が立ちはだかり、こちらを見下ろしていた。身の丈は桃太郎の倍はあろうか。頭上には鋭い角が2本生え、金色の双眸でこちらを睨みつける。胸の隆々とした筋肉は強固な岩盤を思わせ、いかなる攻撃も通用しそうにない。腕に持つ3尺ほどの金棒は血塗れていて、寸刻前までここで繰り広げられていた略奪の凄惨さを物語っていた」


 ……試しに鬼の描写をしてみたけど、未熟な私の描写を見本として扱って良いのだろうか。本当はもっと動かしつつ描写した方がいい気もする。


 もう一つ描写のポイントとしては、「その世界にあるもので描写すること」です。例えば「赤鬼の体はボスゴリラみたい」とか言ってはダメです。その時代の日本にゴリラはいません。3尺を1メートルとかに置き換えるのもNGです。


 その時代や国の単位に合わせましょう(単位が分かりにくいときは、別のもので長さ表現してください)。和物ならカタカナ語は控えた方が良いですし、逆に外国が舞台ならあまり難しい漢字を使わずにフワリと仕上げたいところです。


 異世界転生ものであっても、急に現代のもので例えると、その世界に没入して読んでいたのに現実に引き戻される感覚になります。転生直後ならまだしも、時間が経過した後はあまり出さないか、静的な説明シーンのみで使いましょう。


 

 大体こんなところかな。

 適切に説明できれば、読者の想像力をうまく喚起できます。それらしき雰囲気や流れを作ってみてください。

  

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