280628 今日もあなたを見つめるのに忙しい【恋愛特集 開始】

今日もあなたを見つめるのに忙しい


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aiko「初恋」の歌詞より


「まばたきするのが惜しいな」

今日もあなたを見つめるのに忙しい

悩んでるあたしはだらしないな

頭ん中妄想は思ったより大きい


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 今回はシンガーソングライターのaikoさんの歌詞からの引用です。長らく恋愛ソングの名手として支持されている歌手さんですね。私も学生時代から聴いていました。


 今日は片思いについて語ります。というか友人の結婚話を聞かされて、漠然と恋愛について考えさせられたので、数日間は恋愛周りの話題をウロウロしてみようかと思います。



 交際したことはない人でも、片思いは皆したことがあると思います。好きな人を気付かれずただ見つめるだけ、少し接点や返事があっただけでも一喜一憂して、全然相手は気にしてなさそうだけど自分ばかりグルグルしている。


 一喜一憂とは言いますが、この身勝手な妄想って結構幸せなものですよね。伸び伸びとその人らしく過ごす姿を見ているだけでも十分幸せです。誇らしかったり、愛しかったり、なんだかよく分からないプラスの感情の集合体が込み上げてドキドキすることでしょう。

 相手に見返りを求めずに、勝手に自分だけ好きと思っているのって、とても無害で微笑ましい独り相撲だと思います。


(……これが見返りや気持ちに応えてくれることを急に求め出すと、途端に迷惑なものになるものですが。ストーカーとかアイドルへの迷惑行為とか、思うだけにしてればいいのになー。)



 ここから先は交際関係への発展を目指す人と、目指さない人で分かれます。


 交際を目指さない選択肢もアリだと思います。それは妄想だけの幸せな安全圏に自分を置いておきたいエゴが中心かもしれません。自分に自信がないとか、相手と釣り合わないとか、そういう自己憐憫に基づくものかもしれません。

 あるいは相手に既に別の良い人がいる、相手の足を引っ張りたくないなどを気遣った結果の選択かもしれません。この選択で切ない気持ちを味わった人たちも多いと思います。


 交際を目指すなら、相手との接点を増やして自分の存在を主張しつつ、相手から良く思ってもらえるように気遣ったり、自分のことをうまく伝えたりして、順当に頑張ることでしょう。


 創作的には、交際を目指さない場合、主人公がニヤニヤ片思いしているだけでは話が進まず、読者ももどかしさに巻き込まれるだけなので、大抵は主人公は(積極性、計画性の差はあれども)交際を目指します。

 一方で、ヒロインやサブヒロインは交際を目指さないが想い人がいるパターンが多いです。


 恋愛ものが1ジャンルとして確立しているのは、誰でも最低限片思いくらいには覚えがあるからでしょうね。幅広く共感を呼べるのはやはり強いです。男と女さえいれば、どんなジャンルとも両立できることも魅力的です。


 そりゃあ既婚者の私とて、遠い昔とはいえ、片思いの思い出はあります。今さら学園モノを書くことも気恥ずかしいですが、追体験しながら書くのも甘酸っぱくて面白いでしょうね。


 社会人同士の片思いだって、よくあることだと思います。

 さすがに大の大人が恋愛ばかりで頭をいっぱいにするわけにはいかないので、ビジネスだったりその他人間関係だったり、はたまた肉体関係だったり、所属するコミュニティーの話だったりを絡める形にはなるでしょうけど。


 盛り上がる要素には間違いありません。古今東西、人の色恋話は気になるものです。創作の中でも、できるだけ積極的に盛り込みたいものですね。




 ……と書いてみたものの、なんか今回の文章全体に込められた温度が低いなぁ。


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村山由佳「ダブル・ファンタジー」(下巻)より引用


「……、ちゃんと本気の恋だってしなくちゃ駄目。ねえ、これだけは言っとくけど、男の物書きも、女の物書きも同じだよ。恋愛方面でれたら、作品も一気に枯れるんだからね」


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 こんなフレーズを見かけたのですが、何となく頷ける部分はあります。


 既に私は既婚男性。自由恋愛の場からは降りた身です。

 だから、恋愛とは、過去の思い出か他人の身に起こる出来事であって、今または未来に渡り身に迫って私に訴えかけてくるものではないのです。

 気持ちの上でも妻子を裏切るわけにはいかないしなぁ。


 とはいえ、万民の共感を得られる素材を調理できないのは良くありません。自分の中に渦巻かないものでも、リップサービス的に十分に語らねばなるまい話題はたくさんあります。


 恋愛についての傑作はいくらでもあります。他の優れた創作物から養分を吸収して、うまく語れるように鍛錬したいところですね。

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