280623 人々は自分の考えを補強する人の言葉にばかり耳を傾けるようになった

人々は自分の考えを補強する人の言葉にばかり耳を傾けるようになった


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「魔法少年マジカル★リュータ」のブログ(H28.06.20の記事)より引用

(ttp://dq10ryuta.blog.fc2.com/blog-entry-304.html の記事)


 ぼくがこの記事を書けたのは、昨日の新聞でアメリカの外交うんたら情報局の長官のコラムを読んだからです。


 そこでは「人々は自分の考えを補強する人の言葉にばかり耳を傾けるようになった」といったようなことが書かれていました。その結果、みんなの考え方の視野が狭くなったと。


 こういった文章を読みなれている人なら、もうこの一行を読んだだけで何を言いたいのかが瞬時にわかります。


 つまり最近の世界的な自爆テロや、ついこのあいだのイギリスEU離脱問題で残留派の議員が暗殺されたことなどを持ち出して「こういったことが頻発するのは、ネットで若者が特定の思想のページばかりをみるようになって洗脳されているからだ」みたいな話の流れです。


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 このブログはドラクエ10に関するブログです。つまり、私がプレイしているネトゲはドラクエ10なわけですが、アップデート頻度と質が落ちてきて、各ブロガーからネガティブな意見が聞こえてきています。

 この方・リュータさんはそうなる以前から、攻略記事よりもこういった「プレイヤーの皆はこう思ってるんじゃない?」「運営はこう考えているんじゃないか?」という論説を多く掲載している方です。読み物として面白いし共感できるので、愛読しています。

 この記事はドラクエ10で毎日特定のクエストをこなせばお得なアイテムが得られる仕組みが導入されたこと、プレイ時間を増やすようなアップデートが実装され続けていることを受け、それに関する「依存症」言い換えれば「習慣付け」的な仕組みが導入されているのは、ドラクエ10に限ったことではなく、さらに言えばネットゲーム一般だけの傾向ではなく、例えば音楽業界などもその傾向で、インターネットの情報発信方法の発達により、いろんな文化でそういった「習慣付け」、「狭いコミュニティ形成」の流れが見受けられるよ、という記事です(このブログでは「洗脳」という言い回しを用いています)。


 先日の「ネトゲにより安全を確保し、所属・承認を得て、自己実現を達成する」の記事ともかぶりますが、最近の流行りものはほとんどがこれら「習慣付け」、「狭いコミュニティ形成」に成功しています。

 典型例はSNS(ソーシャルネットワークサービス)の発達です。これはmixi、LINE、Twitter、Facebookなどのネット上のコミュニティの総称なのですが、毎日身の回りの情報を仲間内で共有して、一つの繋がりの文化を形成しています。

 AKB48などのアイドル商法にもこれらの流れが見られ、敢えてファンにイベントへの参加をお願いすることで、より心理的に没頭させて、その連帯感により長期間の熱中を引き出すシステムです。

 カクヨムなんかも読むだけでなく、書くことで参加させて、より熱心な参加者を生み出すコミュニティです。

 どのコミュニティも情報伝達が早いので、一瞬で物事が流行って定着し、反面根付かないと一瞬で廃れたりします。模倣的な投稿が多い一方で、独自的で異色なものは受け入れられづらい傾向にあります。

 

 リュータさんのブログでもそういう論調なのですが、この流れは良いもの悪いものと受け取るよりも、そういうものだと受け止めるしかない傾向です。

 「水は高きより低きに流れる」というのと同様で、人は居心地の良くて楽な過ごし方を自然と選択します。自分と反する意見や興味ない話が垂れ流される媒体よりも、自分と近い論調で興味ある分野を取り上げる情報にアクセスするのは当然のことです。情報網の発達でそれが可能になったのですから、一般の人たちは無意識にそう過ごします。

 個人として大切なのはその動きを理解して、自分がどう行動するかです。メリットとデメリットを理解して、自分がどういう風に自己実現したいかに沿って行動することです。

 それでも視野を広くしたいのであれば、いろんな流行に関する記事に触れるようにしましょう。

 また、たくさんの人々を惹きつけたいのであれば、コミュニティの流行りを理解して、その文脈に沿った投稿をした方が受け入れられやすいでしょう。

 つまり創作側としては、広い視野を持ちつつも、ターゲットを絞った発信が求められます。


 私は迎合する気も薄いのですが、埋もれては意味もないので、ある程度は取り入れようかなと思っています。カクヨムであれば毎日更新の方が読まれやすいとか、異世界転生モノが流行ってますよとか、逆にジャンル別ランキングであればここが競争率低めで狙い目!とか、そんなところです。

 ネットがより身近になるに従い、「メディアリテラシー」(情報媒体を客観的に読み取る力)の大切さや、2ch創設者のひろゆきさんの「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」との指摘が、発信者としては大事になっていると思います。情報やコミュニティに流される側ではなく、逆に自分で利用して自分の為に活かす側でありたいものですね。

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