第2話 キレイになりたい!

子育てをしていたときは、スウェットパンツかジーンズが大好きだったし、肌の手入れをする時間があったら寝ていたいと思っていたぐらいだから、いつもノーメイクだったわ。髪はショートでいつもボサボサ頭、典型的なオバサンだったわね。太っていたし、健康的じゃなかったな。日本人ではなくて、エスキモーの人と間違えられたことがあったのよ。

でも日本に帰ってきて、毎日温泉に入り、車なしの歩く生活をし、食事に気をつけるようになったら、体がどんどん癒されて健康になっていったの。

痩せて健康になったら、やっと美意識が生まれてきて、少しずつ綺麗になりたいと思うようになつたの。髪も染めて、肌の手入れも始めたら、それまで目をそむけていた鏡を見ることが楽しくなっちゃったのよ、フシギだね。毎日楽しそうに鏡を見始めた私を見て、同年代の知り合いが”今さら綺麗になっても誰もみてくれないよ”とからかうように言ったのよ。その言葉で気がついたのは、私は誰のためでもなく、自分自身のために今はキレイになりたいんだって。だって少しずつ変わっていく自分を見るのはすごく楽しいから。今まで何もしなかったぶんまで、50代からキレイになりたい!そうつぶやきながら、今日も温泉に向かう私なの。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る