第25話 推薦

 ユウキたちが合宿をしている頃、バドミントン部のマリとユカはインターハイに出場していた。今年は神戸山手高校史上最高のチームと言われていたが、団体戦でベスト一六、個人戦ダブルスでは二回戦敗退という結果に終わった。一年生にしてはまずまずな成績だったが、強くなりたいと思っている二人は納得がいかない様子だった。後日、アカリとミライは、マリとユカと話をしていた。

「アカリ達がいれば、あたし達ももっと強くなって上までいけたのに……」

とマリが悔しそうに話した。確かにアカリは中学時代全国大会でシングルスベスト四、ミライとのダブルスはベスト八の腕を持つ。この二人がいれば団体戦で上位を争えたかもしれない。

「あんなにバドミントンが上手なのに、どうしてジャグリングサークルに入ったの?」

マリはアカリに不思議そうに聞いた。アカリは

「昔からの夢だったの。人を喜ばせることがしたいの」

そう自分に言い聞かせるように答えた。

「そうなんだ……。でもあたし達と同じように推薦で神戸山手高校に入学したんでしょ?」

「違うの……。あたしは一般入試をパスして来たの」

「えっ、そうなの?」

驚きを隠せないマリに、

「うん、あたしは……横浜港南高校から推薦を受けたの……」

アカリは申し訳なさそうに答えた。

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