第94話 魂について考えた夜

 ボクは魂の存在を信じている

 実際に死者の霊が現れているから


 実はボクの切なる希望なのかもしれない 

 死の瞬間 消えて無くなるのが悲しいから


 昨日の夜 ある人が亡くなった

 ボクとは面識がない人なのにとても悲しかった


 彼は大切な人を取り戻すことができなかった

 そんな無念の思いがヒシヒシと伝わってきた


 どこにいるのかわかっているのに手が届かない

 日本政府も手をこまねいて見ているだけ


 改めて魂の存在を信じたいと思った

 絶対に存在して欲しいと願った


 魂には時間や空間の概念はない

 どこへだって行くことができる


 見えなかったものを見ることができる

 聞こえなかった声を聞くことができる


 結果として魂は少し救われる

 生前の願いの一部が叶うことになるから


 ただ 大切な人が救われるわけではない

 魂が状況を伝えたとしても政治の壁が邪魔をする


 もう少し魂に力があればいいのに

 ぜひ悪人を懲らしめる力を授けて欲しい


 それは ボクたち生者の大きな期待

 夢半ばで逝った死者の切なる願い


 だから神様 お願い

 魂の処遇を改善して


 生者も死者も安心できるように

 この世とあの世がもっと住みやすくなるように



 RAY








 

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