第96話 勇者のとなり

 いつもの酒場でキミは言った

 「魔王討伐へ出掛けよう」と


 キミは勇者 平和を愛し悪を憎む者

 キミに掛かれば ドラゴンだって敵じゃない


 熱い瞳でキミは言った

 「お前もいっしょに来て欲しい」と


 ボクは治癒師ヒーラー 傷をいやし命を守る者

 ボクに掛かれば 瀕死の仲間も元どおり


 ボクの返事は決まってる

 NOなんて言葉は辞書にはない


 キミの役に立つこと

 それがボクの最優先事項


 笑みを浮かべてキミは言った

 「今回も頼りにしている」と


 いつもボクはとなりにいる

 命を懸けてキミを守る


 キミをいやすことでいやされる

 キミを救うことで救われる


 キミには守りたい女性ひとがいる

 心に決めた女性ひとがいる


 とても綺麗で優しい女性ひと

 王女かのじょはキミにお似合いの女性ひと


 ずっと前からわかってる

 勝てないことはわかってる


 でも そんなの関係ない

 ボクには全然関係ない


 キミはボクの勇者ヒーローだから

 ずっとずっと となりにいさせて



 RAY

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