第13話 100万ドルのビニール傘


突然の雨

駅前の100円ショップ

慌てて買ったビニール傘


いつもの場所

橋から見下ろす高速道路

にじんだ車のテールランプ


傘を通して見る ぼやけた景色

それは差し詰め 100円の景色


どこかの国の きらびやかな夜景

あれはたしか 100万ドルの夜景


ふたつは文字通りケタ違い

でも もう少しの辛抱


1人のときは100円だって

2人になれば100万ドルだから


キミとの待ち合わせ

妄想女が抱く いつもの妄想

キミに話したら笑われるかな?


100円の傘の中

100円の景色を眺めながら

他愛もない話につきあってくれるかな?


100万ドルの笑顔のボクと



RAY



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る