第86話 個人的で神聖で静謐な場。
自分のための神聖な場がいる。
絶対にいる。
誰かに強要されることもなく
奇妙で己にしかわからない何かで埋め尽くされ
無駄と馬鹿と楽しみで出来ている
個人的で静謐な秘密の場と時間が
誰にでも必要だ。
力を使い果たした時
ちゃんと充電しないと
あなた本体が痩せ細り
新しい何かを人生に呼びこめなくなる。
ただ生きているだけで精一杯だ。
本当に弱っているときは
なにが自分にとっての神聖な場かなんて
わからなくなる。
だからこそ日常的に神聖な場に触れて手入れして
いざという時に篭れるようにしておくのだ。
そんな無駄な、なんて思う人は
まだ緊急事態に陥ったことがない幸福な人なのだ。
人生の緊急事態のとき、
この場が、この音楽が、この文学が、この人が
ただあったから生きていけたと心の底から思うことがある。
無駄と馬鹿と楽しみは
大人になったら無理にでも
自分で確保しなければ
とても味わえない贅沢になる。
でもその贅沢こそ
あなたを生かす大事な栄養素で
行き詰まったり
絶望したり
エネルギーを使い切った時
蘇るための大事な要素なのだ。
贅沢は敵じゃなく、人生の基礎だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます