第4章 無力であるという幻にさよならだ。

第76話 全部、自分に向かってだよね。 自分自身に伝えたいことだよね。

誰に向かって言ってるの? それ。


その忠告。

その箴言。

その説教。

その注意。


全部、自分に向かってだよね。

自分自身に伝えたいことだよね。


一見すると、

家族

友達

仕事相手

読んでる人

に向けてるように錯覚するかも知れないが

自分だから自分。

独り言のようなもんですよ。


本日の凹んだ自分に

何にもないと絶望してた自分に

天才病だった自分に

思春期でややこしかった自分に

幼くて傷つきやすかった自分に

誰かに安心させて欲しかった自分に

過去現在未来、いつかの自分に向かって

言葉を発してる。


色んなコメント貰った文章も

この文章も

今までの文章も

対象は自分で、自分が書くことで

知りたかったことを発見している。


ので、余波のように

誰かに伝われば嬉しいけど

誰かに伝えることを目的に書くと

不自由で、反応が気になって、嫌になってくる。


マーケティングして狙い撃ちして

本音や熱を込められる人って

稀だし、それは天才だ。

大概盛ってる。詐欺師風味になる。


まあ、バレるよね。

読むのに慣れてる人からすると。

それが本気か、建前か。

盛ってるか、そのまんまか。

建前で、盛ってるのがバレてることほど格好悪いことは無いのではないか?

と私は思う。

それは裸の王様以下だ。

誰にもばれてないと思って舌を出して、鼻をほじっているけど、

実は客席に丸わかりの道化師。

どこにも届かない虚しい言葉の羅列は

いったいどこへ行くんだろう?


そんなゴミ同然の言葉なんかより、

己にしか届かなくても

真実味と血の滲む実感のある言葉がいい。

そしてそれが客観性によって整えられていれば最高だ。

個人的で普遍的な奇跡の言葉になる。

そんな言葉は年齢も国境も時代も超えて、必要な人に伝わる。


とはいえ高望みは筆を重くする。

まずは他人のためだなんて言い訳を捨てて

自分のために書いているという

ストリップじみた、戯けた覚悟をするのがはじまりだ。


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