第67話 醜さや弱点は敵じゃない。

醜さや弱点は敵じゃない。

むしろそこに宝が埋もれてる。


意識高くありたいという邪心

成長せねばならぬという焦燥

これらの観念のお化けに取り憑かれると

己の欠点が憎くて仕方なくなる。


いつかお前を、欠点を消してやる!

などと、思う。

というか、弱点がある自分はいつまでもダメで

そういうものが無くなったら

世間に認められて誰かに愛されて、毎日楽しくウハウハになれるんじゃないかと

馬鹿みたいなことを夢見る。


なれないよね、それじゃ。

欠点を訂正して、理想を追い求める人は

理想に追いついても今の自分の粗探しをする。

そして新たなる弱点克服という山登りが始まる。

幸福な現実というものはいつもでも手に入らない。


鏡に映る醜い自分は

叩き潰そうとする限り、劣等感という影となって付きまとう。

どんな栄誉や戦利品を手にしても

劣等感とともにある人は貧しい。


醜さも弱点も、自分以外が見たら

案外美点になる。

繊細すぎる心なら、優しさ。

細くて一重の目は神秘的で美しい

内気で寡黙なら、落ち着いている。


いや~~、そんなこと思えない!

ってなら仕方ない。

しばらく葛藤と克服と挫折のサイクルでクルクル回っていればいい。

うんざりするくらい努力して、

それでもどうしても手が届かなくて

死にそうに絶望してようやくそのサイクルを卒業できる。

それまでは一生懸命、ハムスターのようにサイクルを回してればいい。

だから、そういうクルクル状態の他人を変えようなんて無理だ。

その人はサイクルを回すことがなんか素敵な人生劇場とでも思っているのだから。

あなたの心配の言葉は邪魔でしかない。


どんなことでも戦う限り

必ず反撃されるから

争わず受け入れた方が

物事がうまく流れ出すものだ。

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