第60話 地球のための歌をうたえ。


さあ、始めよう新しい朝を。

全くの未知の1日を。

産み出されたばかりのこれからを。

心を込めて、

深呼吸して、

始めようではないか。


1日の終わりに世界は死ぬ。

穢れや妥協や失敗で薄汚れて絶えていく。

みっともなく昨日にしがみつくな。

過去の栄光に執着するな。

それよりも真っさらな1日がくるのだから。


洗い流そう後悔を。

清めよう醜い視線を。

濯いでいこう罪を。

全てを背負って生きていくのはきつ過ぎる。

私たちは毎日、己を清め漱がなければならない。


新しい夜明けにふさわしい歌はどんなだろう?

私は毎朝、その歌を唄おう。

明けの明星のもと、

去りゆく月を眺めながら、

産まれてくる響きを拾おう。

これは地球のための歌。

人間の賞賛のためでは無い。

純粋な響きを声に乗せ、

私は1日を始めるのだ。



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