第30話 あなたが恐れてるのは幻ですよ。


恐れてるのはまぼろし。

実は誰もあなたにセーブせよと強制出来ない。

口をつぐみ、力をセーブさせているのは

己の恐れる心だ。


いったい私は何を恐れていたんだろう?


あんなことやこんなこと言ったら、

みんなの期待を裏切るからダメなんだろうな。

私が正直に自由に話したらば、

あの人に何て言われるだろう。

おかしい。

変だ。

やばい。

なんか、ダサいことしてる。

そうして、半笑いでコソコソと誰かに私の悪口を言うに違いない。

ああ、いろいろ考えたらめんどくさいや。

だったら無難なことを言おう。


変なセンサーがあることが後ろめたく

おかしいと思われるのが嫌だった。

自分自身の余計な憶測で何かを表現するのが億劫になり

目立たないよう隠れていた。


でも、誰が私を批判して嘲笑うの?

顔も知らない誰かのために

別に私の人生を助けてくれる訳でもないあの人のために

どうして私が恐れて、セーブしなきゃいけないのだろう。

と、怒りが湧いてくる。


やってらんないわ。

私は私のやりたいようにやる。

言いたい奴は前出てこい、売られた喧嘩は買ってやる。


と、開き直ったら怖いものはもう何もない。

言葉も表現もアイディアも

ワクワクするようなものが己から湧き出てくる。


まぼろしを恐れて

自分の力をセーブするのは

人生の無駄遣い。

口をつぐみ、セーブするとき

何のためにそうしているのか

確認するといい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る