第29話 脱皮しかけの柔らかい心にしみとおる何か。
混乱の中にいる。
脱皮の前の生まれ変わるような苦しみ。
それってターニングポイントなだけ。
のるか、そるか、
安定か、冒険か、
じぶんの体の声を信じるか、理性に従うか。
シーソーゲーム。
常に揺れてる
そのゆれが気持ち悪い。
ああ、かわるってなんて怖い!
人はザリガニのように脱皮して
そのあとは大きくなるってわかっていても
怖いものはこわいんだよ。
じぶんの足場がはっきりしないときって
詩や詩心のある歌が効く。
脱皮しかけの柔らかい心にしみとおる何かが、詩にはあるのだ。
繊細ななにかを読み取り、
見えない傷を癒す。
詩のもつ微細なところへ浸透する言葉は
混乱するしてる人間にとって
アルコールなんかよりよほど効く。
本屋で出会う一冊の詩集、
ウェブで目にした一編の詩や歌詞、
街で出会った1行のフレーズ、
自分の核心をつかんで離さない言葉たち。
ぐるぐると悩んでいたことへの
解答だったり
言葉にならない気持ちを
かたちにしてくれたり
悩み深い孤独さに寄り添ってくれたりする。
混乱して、どうしていいかわからなくて
話せる人もいないときは
詩と歌を手元に、
脱皮の苦しみに向かい合えばいい。
不安で心が揺れて、夜も眠れなくて、
なんでもない日常で
突然涙が流れ出すときも、
自分を代弁してくれるような詩人の言葉に
耳を傾ければいい。
そうして、今自分が立たされている状況で
できる限りのことをすればいい。
選んでも、逃げても、切り捨てても、挑戦しても、どんなことをしてもいい。
あなたが自分に正直であれば失敗するのもいいものだ。
もがいているうちに
時は過ぎ、
あなたはなにがしかを選択し、
この地獄のような季節も過ぎ去っていくのだ。
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