第9話 すべてを良い風に読み替えて栄養にするしかない。

変人奇人は保護されるべきと思うのね。

疎外とかしてる場合ではないよ。


タガの外れた人に会うと元気が出る。

人の目なんか気にせずにもくもくと作品を書き続けている隠遁者とか

いい年して上司の眼鏡のレンズを外して割って謹慎させられるお方とか

武術修行でインドへ行って、身体中の関節がずれてけろっとしてるあの人とか

自称魔女とか、神の子とか、永遠の少女とか


「うわ~とんでもないな。よくこの年まで生きてこられたな」

「え? この失敗をそう考えますか!」

って驚く。

自分の思考に予想外という名の穴が空いて、風通しがよくなる。

目から鱗が落ちるとはこのこと。


季節の変わり目でなんとなく気分が落ち込んで

これはいかん引きこもりの前兆だな、と危険信号がなる。

で、喝をいれるべくタガの外れた人に会う。

くよくよしたちっちゃい悩みを笑い飛ばされたり

「いいじゃん引きこもれば!」

と、そもそもの悩みすら無効化される。

常識が通じない。

通じないからこそ、自分が無意味に背負っていた荷物を降ろせる。

なんだ、別にいいんじゃんって。

タガを外した人は、人の意識を変える。


老若男女、他者の目線で生きていて

それが辛いんじゃない?

「この人を逃したら結婚できないかも」

「世間体があるんで、それはちょっと怖い・・・」

「いつまでたっても家族の悩みが絶えない。自分の時間がない」

本当にそれって自分の悩みかな。自分の考えたことなのかな。

教育とか常識とか世間体っていう名の「他人の目線」だよね。自分の目線じゃない。しかもその目線には実態がない。

だからどんどんエスカレートするし、要求がきつくなる。


奇人変人のようにのびのびと枠を外れながらも、他者に対する敬意がある人は太陽だな、と。

なにより地球を楽しんでる感がいい。

どんなとこだって楽しいこともあれば苦しいこともあるし

そこを!あえて!楽しみ尽くす

ってのが自分の可能性を全開にする遺伝子オンよねって思う。


この全開になるための性格的なポイントが楽観かな、と思う。

人生、言い訳しようと思えばいくらでもできる。

周りがだめ、環境がどう、親子関係がアレ、政治がどうだっても、生きてかなければならないし

生きていくためにはすべてを良い風に読み替えて栄養にするしかない。

親から愛情をもらえない貧しい環境だって

友人や自分の家族を作るための強い動機になったりする。愛情について深く考えて、人の失敗や悲しみに寄り添えるようになることもある。

どんなことでも自分が次第だ。

結局自分で全て選んでる。


タガを外すと言ってもいろんな生き方があるから

外れることで真面目さや集中力を発揮する人もいれば、適当でおおらかになる人もいるんでしょうし。

あきらかに奇人変人って風になるとは限らない。

みんながそれぞれ外せばきっといいバランスになる

欠けてるところもきっと誰かが埋めてくれる。

自分自身だけで完成する必要なんかない。

誰かの役に立つことってやはり楽しいもの


タガを外してどうなりたいかっていうと自由になりたい。

せっかく生まれたんだし、やれることはやり尽くしたい。

時間は有限なので、つまらない悩みでくよくよして無駄にしたくない。


って考えていくと既成概念、つまり他者の目線がいらない。

それが自分の行動の監視者になってすごく邪魔。

じぶんのいい子なところが発動して、

気を使ったり、

やりたいことをセーブする。


そんなとき奇人変人というものに会うことで

「危ない、危ない。余計なことに思考を奪われてたわ!」

って気づかされる。ありがたいことだ。

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