第2話
「って、王女、なんでウチにいるのよ! 住居不法侵入罪で訴えるわよ!!」
「妾が法律」
「って、あんたの親父を頭ごなしにしていいの?」
「妾は今日らこの国の王になったのじゃ」
勝ち誇ったように頭の王冠を指差す、元・王女。初夏なのに、紫色の毛皮のマントをあえて纏っていた。
「親父……先王が『若いピチピチが出るほうがええじゃろ、お客様は神様じゃからのう』と口走って王位を禅譲なされたのじゃ」
お客様って誰だよ? 封建主義じゃないのか??
「うずめたいでしょ、勇者なのじゃから」
そう言うと、新・女王は自分の胸に手をやり、下から持ち上げる仕草を始めた。
ぱふぱ……
「断るっ!」
ちょっと、まて。今、アニメ化したら最高にオイシイ映像が流れるところをスルーしたよな。いくら勇者だからって、プロデューサーの圧力にはくぁせっ……。
「それにしても、どこかで見たことがないか、この話?」
「水道哲学じゃ」
「スタディ・ラノベの出版社かよ!」
「それなら妹モノになっているのじゃ。兄以外が主人公という時点でオリジナリティは満点、なのじゃ」
「どう考えたって、問題ありでしょ」
「中二病でもなければ、召喚バトルもない
……しからば、問題ないのじゃ」
「大ありよ! 元ネタがどんどん分かりにくくなっているじゃない!」
「ぜったい大丈夫だよっ! ……わからねば検索、ポチッとな」
ただし、この世界にケータイもネットもないのでご了承ください。アニメすらないけどな!
「もういいわ。二度寝よ、二度寝――」
勇者は布団を頭までかぶると、寝息を立て始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます