第37話
プリントした紙を俺に渡すと、莉紗は突然、襟元に手を掛けた。そのまま、寝間着の下までボタンを外していく。既に彼女の谷間が、俺の視線を虜にしている、
「莉紗、何を……」
見たい、見たくない、見たくない。手で目を覆いつつも、指の隙間から凝視してしまう俺のバカっ!
「こーいち、私の恋人でしょ。恋人って相手の裸ぐらい見ていいでしょ。だから、こーいちに裸を見せようとしてるのよ!」
「あくまで、恋人のフリだったんじゃ……。祐佳里もいないし」
そうはいいつつ、気になってしかたないんだよっ。これ以上、言わせないでくれ。
「そういう考えがダメなの。祐佳里さんがいなくても、私たちは気持ちを恋人にしておかないと、絶対にボロが出るのよ。だから、私の裸を見て、こーいちに性的な興奮を施して、私にめろめろになって貰わないと困るのよ」
「ちょっと待ってよ、それって本当に好きになれってことじゃ」
「な、何、勘違いしているのよ。あくまでフリよ」
そう言って、脱いだ服を胸元に押し当てる。
「でも、我慢できなくなったら、裸になって、襲ってきても構わないから……」
俺としては、生まれたままの姿よりも、布きれ一枚で秘部を覆われた方が……。
「胸、さわってみる?」
莉紗は再び、とんでもない話を振ってくる。
「や、やめておく」
「だ、だめよ。恋人なんだから、お、男の子なんだから、女の子の胸、私の胸を触りたいんじゃないのっ!」
そりゃ健全な男子としては、そんな獲物を放っておけないけど、その一線を越えるのが怖かった。
「浩一は異常な性癖とかないよね。だったら、触りたいよね。私のことが好きになりたいならこそ触って欲しいの」
そう言うと、俺の手を取り、胸の隙間にそれをうずめる。服越しは何度もあった。しかし、生暖かい体温をじかに感じ取るのは、この時が初めてだった。
まさに、生の肉の感触。
「私の気持ち、感じてよ……その、大きくなっているもの、入れても、いいから」
「何?」
「バカ。私が恥ずかしいじゃないの」
真っ裸を見せつけておいて、恥ずかしいもあったもんじゃないけど、とか考えるのは無粋だろうか。やや顔を赤らめた莉紗の姿をちらちらと見ながら、時が過ぎるのを待つ自分がいた。
「どう?」
やっと服を着た莉紗。昨日と同じ、真っ白の上着に水色のリボンが映える。ちょっと大きめの髪留めが印象的だった。
「いいじゃないの?」
「もっと褒めてくれないとダメ」
最も困るのは……
「素材が良すぎて服の活躍が目立たない、という印象」
「もうっ、こーいちったら」
どうやら機嫌を取り戻してくれたようだ。
「行きましょ、遠くまで」
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