第27話
「今、デッサンが狂っていたであります」
「この声優は叫ぶとボロが出るであります。よくこれで人気が出るのか不思議であります」
「ターゲットであるオタク層向けなのに、なぜ主人公が女の子に暴力を振るわれなければならないのですか」
「あの、先輩。祐佳里が思うに、何で好きなのに文句ばっかり言うのですか?」
「我が輩は、良質なアニメコンテンツをもって、それを社会に普及させるのが正しい道だと考えているであります。故に、駄作は淘汰されて結構。人気原作や似たような企画ありきで自己研鑽の足りない作品や、事務所の力だけでプッシュされたアイドル声優についていく輩など、百害あって一利なし、であります。オタク道とは、求道者。質の悪いものはとことん叩く。良いものは褒め称え、さらによりよい表現になるようさらなる期待を促す」
「意外ね。オタクなんてただの変態軍団だと思っていたのに」
「確かに、幼女に熱を上げる変態……事件などが起きると肩身が狭いでありますが、本質的にはより多様な表現、実写など他では出来ない表現を追求し、人間の豊かな想像力の発露と好奇心を満たすのがアニメであり、それを支えるのがオタク。我が輩がオタクであることをなんや恥じることはあろうか、いや恥じる必要はないであります」
キリッ、てか?
「お、今日のこねこちゃん(アニメーションのキャラクター)のぱんつは水玉でございますか。かわいいであります」
「台無しね」
「変態だね」
「ま、それも珠姫のいいところだ。妙に肩肘の張った言い方すると思ったら、こんなんだったり。アニメ以上におもしろいと思えれば、それも一興」
そう、金平先輩は締める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます