トイレからの脱出ゲーム - 日常に潜む密室 -
@daiksy
第1話 序章
自分の身に何が起きているのか。酒に酔っていることもあり、状況を理解するのにしばらく時間が必要だった。鍵をかけていないドアは押すか引くかすれば開く。不変の摂理だ。そのはずなのに目の前のドアは開かない。
自分は今トイレの中にいる。窓はない。唯一の出入り口は、今目の前にあるドアだけだ。
ドアが開かない、という事実を受け入れるのにどれくらい時間が経ったのだろう。その事実に気づいたと同時に、絶望が全身を襲った。
このままドアが開かなければどうなる...?
5時間にも及ぶ絶望の時間がはじまろうとしていた。
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