リンド・リンド・ロンド
紅亜真探
第1話 彼女との出会い
「最近なにか夢を見た?」
見たよ。
「どんな?」
龍の形をした黒い雲に乗って、空を飛ぶんだ。
「あらすてき、じゃあそれをもらうわね」
そう言って女の子は、 ぼくの唇に軽くキスをした。
ひゅっと、おかしな音がして、なにかが、のどの奥から飛び出していったようだ。
「ほら、ごらんなさい」
薄曇りの空と地面の間にいたのは、水に落としたインクみたいな、もやもやとした雲だった。
これが龍かとみんなは笑うかもしれないが、確かにぼくは、これを今日、龍だと思って乗りまわしていたのだ。
そう、夢の中で。
「じゃあね」
言った女の子は、もうそれの首にまたがっていた。
黒いドレスがひらひらひらひら。龍のリボンみたいになっていた。
待って!
きみの名前は?
「あたし? ロザリンド」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます