医者の意見じゃなくて、子供の意志と能力を信じた

村田 拓

発達障害、ADHDが嘘

3年ぶりに会った中学生の男の子。小学校では支援学級に通っていたが、中学に上がる時、普通級に移った。これは前例のないことだという。


彼が小学生になったばかりの頃、私は彼の勉強を見ていた。


なんでこれをやるんですか?


何か新しいことを始めるたびに聞いてくる。


細かいことにこだわってよく質問してくる。


ひらがな、カタカナがまだ書けない。変な風に書いてしまう。周りの子達はもうできるのにできない。


お母さんは心配されていた。


就学時前検診で、発達に障害があるとみなされる。

お子さんの今後のために支援学級をお勧めします。とやんわりと圧力がかけられた。


地域によって検診のやり方は違う。


彼の地域では、50分、子供と医師の一対一で面談、テストする。

それで、障害の有無、可能性を判定するという。


そんな、いつもと全く違う環境で初対面の大人にお母さんと離れて一人で面談。子供は緊張する。そんな中あれこれ聞き出され、テストされ、普段とは違う対応をしてしまうだろう。


その医師と名乗る専門家が子供をチェックする内容。発達障害、ADHDの根拠とされる子供の振る舞い。


年齢で学習の遅れ、能力の偏り、言動が幼稚だとか大人びているとか、言い間違えが多いなどなど。


彼のどの部分が問題とされたのかはわからない。でも結果として支援教室に通うことになった。


彼は元気な男の子だった。勉強という部分では同学年の大部分の子と比べれば遅れているようには見える。


でも、その時点で、ひらがなやカタカナを完全に書けなかろうが、いずれどこかの時点で書けるようになる。他の子と比べるんじゃなくて、昨日の自分、先週の自分、先月の自分と比べてどうか?少しでも学んでできるようになったことが増えているなら、問題ない。


質問が多くて、自分で納得しないと言ったことをやろうとしないのは、それは自分の軸があって自分で判断して決められるってことなわけで、それは良いことではないですか。何も疑問に思わずに、ただ言われたことに従っていれば、良い子とみなされたりするけど、そっちの方が実は問題は大きいかもしれない。


発達障害とか、ADHDという名称はあるけど、それは医者がそう言っているだけの話で本当はそんなものはない。本人の意志をうまく方向付けしてあげて、それで「学び方がわかる本」の勉強の技術に沿って、彼が自分で学んでいけるようにしていけばいいだけのこと。


と当時彼のお母さんに話をした。


大人の世界に染まっていない子供。社会的に抑えつけられていない分、エネルギーがある。しかしもちろん知らないことできないことがある。理解できないことに次々に出くわす状況の中、腹を立てたり、気分がひどく落ち込んだりすることもある。暴れてものに当たって、壁を蹴って殴ってと行動がエスカレートする子も中にはいる。


そこで、これは何か障害があるのではないか、病気ではないかと医者に相談すると、お薬での治療をということになる。


薬を取るとどうなるか。

薬は基本的に知覚を鈍らせる。今、目の前で起きていることが見えなくなる。


ある女の子。苦手な算数をなんとかしたいということだった。でも勉強に取り組めない。やりたくない。どうしたのかと聞くと、担任の先生がひどい。それで気分が悪い。何があったのか具体的な事情を聞く。ほとんどの場合、そこでしっかり話をさせて、聞いてあげられれば、勉強に取り組めるようになる。


でもその子は、話が延々と終わらない。泣いて腹をたてる。これが、毎回毎回何度も続く。何かおかしいとよくよく聞いてみると、精神薬を取っていることが判明した。


薬は知覚を鈍らせる。目の前のことが見えなくなる。そして、今、目の前の状況とは関係なく、以前の起きた様々な出来事が関係のない時に突然よみがえってきて、その時の腹立ちやら悲しみといった感情が抑えられなくなったりする。


結局、薬による反応をなんとかしない限り、勉強に取り組むのは難しい。

起きている身体的、心理的な反応が勉強の障害にぶつかったためのものなのか、薬のせいで起きているのかがわからない。


発達障害の原因は脳に何らかの異常があるという科学を装った根拠のない嘘。生きて活動している人間の脳を見た人は誰もいない。


問題が解決しないのだとしたら、それは正しい原因ではない。


普段の生活で問題がある可能性はある。食事、薬、睡眠、両親の関係などなど。それは、見つけ出して解決しなくてはいけない。


本当の問題は、周りの人が、実際に、その子とコミュニケーションが取れていないこと。勉強の面について言えば、彼とコミュニケーションをとった上で、実際に何に引っかかっているのかを見つけられないこと。


子供が腹を立てていたり、ぼーっと上の空になっていたり、じっと座っていられなかったり、ヒステリックに叫び出したり、とにかく、いろんなことが起きて、何かおかしいという状況はある。それは発達障害だから、ADHDだから、脳に障害があるからというのは、起きていることの理由にはなっていない。起きている症状にレッテルを貼っているだけ。


勉強させていて起きるこれらのこと、ちょっとしたことから、激しくヒステリックになってるような大変なことまで、私は、「学び方がわかる本」にあるアメリカの教育者L.ロン・ハバード氏による勉強の技術で対処してきた。

こういった現象は、障害とか病気で起こるわけではない。勉強していく上でぶつかる壁によって引き起こされる。その壁は3種類あり、それぞれ解決法がある。


中学生になった彼、風呂の水をためる時間の問題を前にして、


これはなんの役に立つんですか?


と聞いてきた。

聞いてくるところは昔と変わっていなかった。


だから、比例の計算を役に立てる彼が身近に感じられるであろう実際の例をいくつか話した。


例えば、今、ガソリンが大体1リットル100円するんだよ。1リットルで車が10キロ走れるとして、1000円あったら、車でどこまで行けると思う?


などなど。彼は納得して問題を解き始めた。


理解していた。


わかっていないことをわかっていて、ちゃんと質問して解決できる。


彼は大丈夫だ。問題ない。


お母さん、周囲の理解の無さと戦い続けた。

だから、彼は自分の人生を生きられる。

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医者の意見じゃなくて、子供の意志と能力を信じた 村田 拓 @taku8008

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