2015/4/30 殿堂入り銭湯 明神湯
大田区で最も有名といっても過言ではない、明神湯へ。
前日食べ過ぎたので、ウォーキングも兼ねて池上線雪が谷大塚まで歩きました。約5km。結構歩いたよ。
のんびり寄り道しながら歩いてたので、銭湯に着く頃には辺りは真っ暗。銭湯写真を撮ったものの、何が何だかさっぱりわからない写真になってしまいました。
ごく丈の短い暖簾の真ん中に、水戸黄門様と同じ紋が染め抜いてあり、老舗感を醸し出していていい感じです。ここで銭湯トリビアをひとつ。
関東と関西では暖簾の丈の長さが違います。関西は概して長い(多分1m以上はある)のに対して関東はだいたい短い。
これはなぜかというと、一説によれば銭湯の造りの違いによるものだそうです。関西の銭湯は、昔はガラリとドアを開けたらすぐ脱衣所が見える造りになっているところが多かったので、中が見えないように目隠しの意味で暖簾が長かったのが、今も名残として残っているそうです。確かに京都の銭湯の暖簾はびろーんと長かったです。大阪の銭湯は、…そもそも暖簾があったかな?
明神湯はその建築の見事さで有名な銭湯で、外から見た時に屋根の唐破風と千鳥破風が組み合わさった宮造りが見事な外観です。日本人が「銭湯」と聞いて思い浮かべる建物、そのまんまです。脱衣所に入ると天井が高く、窓が一面に大きく取られていて、開放感が半端ないです。黒光りする番台も、立派に現役。今時分は大抵フロント式なので、ちょっと嬉しい。
でも一番すごいなと思ったのは、お風呂場がやたらに光り輝いてまぶしいこと。なんだか病院のような清潔さだな、と思ってよく考えたら、室内に使われているタイルのほとんどが、壁も床も真っ白なタイルだからでした。ところどころアクセントとして薄い水色のタイルがあしらってある程度で、ほぼ純白です。白だとカビが生えたら目立つし、お手入れが大変そうだけど、その分、銭湯の心意気を感じて嬉しくなりました。
銭湯において、清潔感は命です。だって、汚いところで裸になって身体を洗ったり、不潔そうなお湯につかりたくないですよね。そもそも公衆衛生を守るために生まれた場所ですから、お湯が沸いているのと同じくらい、公衆浴場に清潔感は基本要素です。
今のところ、ありがたいことにそこまで「うへえ…」と思う銭湯に出くわしたことはないのですが、でもやっぱり店舗によっては「ああ、ここはお掃除が行き届いてるなあ」と思う場所もあれば、「はじっこのほうに埃が溜まってるなあ」とか、「やたら床に抜け毛が…」と思う場所があることも事実。経営される方もロボットじゃなくて人間ですから、銭湯にも個性が出てくるのは当然のことだと思います。
入口を見て「ここの銭湯には入りたくない」という直観で入らなかった銭湯も、実はあります。といってもまだ一軒しかないのですが、そこは昼間なのにやたら暗くて、カビ臭い匂いがして、入っても自分がピカピカになれるイメージが持てませんでした。
ここ、明神湯さんは、清潔感という一番大切な不可欠要素が満点でした。浴場にも脱衣所にもチリひとつ、髪の毛一本落ちていませんでした。日頃のメンテナンスにどれだけ心を砕いているのだろうと思うと、頭がさがる思いです。銭湯経営に誇りを持って取り組んでいらっしゃるんだな、と思いました。そういう意味で、私が今までお湯をいただいた銭湯の中でナンバーワンだと思います。
壁のペンキ絵は、男湯のほうに富士山がチラ見えして、女湯のほうは島がポツポツと描いてある風景でした。松島っぽいなー、でも富士山があるからその近くの風景なのかなーと思ったら、女湯の壁の端っこに
「瀬戸内海」
と書いてありました。
富士山関係ないんかーい!!
気を取り直して、私は瀬戸内海に行ったことがないので、いい旅夢気分で湯船に浸かることにしました。
また、入り口に
「本日の薬湯 森林浴湯」と書いてあったので、ヒノキの香りがしたり、緑色のバスクリンだったりするのかなあと思ったら、お湯の色が想像の斜め上を行くマリンブルー。
いろいろな方向から予想を裏切られる感じでしたが、いいお湯だったし、おかみさんも優しかったから、良いお風呂をいただきました。
次はどこに行こうかなぁ。
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