2012/8/17 銭湯来客類型化 続き

3:スイミー・タイプ

銭湯の来場動機が、お風呂に入る、ではなく、知り合いに会えるから、という人たち。


おしゃべりを長く楽しむために、湯温の低い浴槽を好む。後から来る友達のために、洗い場で座ろうとすると「そこ、人来るんで」と拒絶されることがある。


その割には、そう言われた私が空けた席に、私が洗い終わるまでに誰かが来たためしがない。


銭湯の付き合いは、何時何分に集合ね、と言うような厳密なものではないらしい。仮に来なくても、「○○さん来なかったわね、今日」で終わる、ゆるいもののようだ。


だったら洗い場使わせろ、と思うが、ほぼみんな常連さんなので強く言えない。


マイ洗面器使用率が高い。つまり、月額料金を払ってレンタルロッカーを借りているということだ。多分銭湯にとって一番のお得意様はこのカテゴリに属する人たちなのだろう。


4:池のヌシ タイプ

もうこの銭湯に通って50年になるかね〜、という風貌のタイプ。


相当なご高齢のはずだが、あちこちにある手すりや台を巧みに操り、自力でゆっくりゆっくりお風呂に入る姿は、釣りキチ三平なら必ずや対決してみたいと思わせる重厚感と容易に近づけない気高さを感じさせる。たまに、娘さんらしき介添えが隣にいることもある。


慨して入浴の際の作法がきちんとしていて、脱衣所の床がびしょびしょにならないように、必ず浴室の出入り口のところで、からだ洗いに使っていたタオルを固く絞り、からだの水滴をざっと拭いてから脱衣所に上がる。私も老師の技を横目で盗んで日々実践している。


5:メダカ・タイプ

家のお風呂が小さいので、たまには大きい浴槽で足を延ばして入りたい、というタイプ。


年齢層は様々だが、大抵浴槽の端っこにいる。ロッカーも洗い場の席も一番はじを好む。身体も頭のてっぺんからつま先まで、ゴシゴシ洗いあげてからでないと浴槽には近づかない。


先述のスイミー・タイプとは距離をおき、誰が近づいてきてもまず、自分がよける。全てにおいて遠慮がちだが、大きいお風呂への執着は高く、浴槽への滞在時間は長めで、しかもお湯と水風呂の往復を複数回繰り返し、反射浴を習慣とする。ちなみに、私はここに属する。


現時点でのパターンは上記の通りだが、それぞれのパターンの混合型など、より深い考察は必要と考える。


シャーク・タイプは常にエクササイズしているが、体型にその成果は現れているのか、など、今後も継続して観察を重ねる所存である。

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