第1146話「見えないことの恐怖」
部屋の中は薄暗く、人影に辛うじて気が付くことができる程度の光しかなかった。
扉が開いているというのに、本来であれば考えられない異常さだ。
人影は背の高い人間が一人。
そう見えた。
だが、よく目を凝らせばそうではないことは明白になる。
何者かが総管理長の首を掴みそのまま持ち上げているのだ。
総管理長はイリスの二回りほど年の離れた、城の全てのメイドの母のような存在である。
綺麗に整った顔立ちも苦痛にゆがんでいるが、辛うじて意識は保っている。
両手でつかんでいる手を振り払おうとしているが、まるで銅像にでもつかまれたまま一体と化しているかのようにピクリとも動かない。
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